
実は手に取ったのは初めてです。
第四代・和帝から一巻が始まり、皇帝、皇后、皇太后や外戚、
宦官、賢臣、三巻からは賊軍に討伐軍と登場人物がいつになく多く、しかも出入りが
目まぐるしい

ページを前に戻して確認したりすることになり、読むのにかなり時間がかかりました。
正諫者は誅され、諛進者は賞され、何をしたわけでないのに連座し一族が殺される、
とんでもない時代です。自尊心によって経徳と行動を暗い惽くしていく人。
助言を捨てたことで命運を縮めた人。歓心を買い、位階の高みに登り誉言に囲まれて
いるうちに 身を滅ぼしてしまう人。能力があり、人望も厚く名臣のひとりであったのに
時代を洞察する力が欠けていたために自ら声望を失い、次代を主導する英雄に
なれなかった人。諸将に担がれゆ諛媚の言に囲まれて、諫正の言を容れる心のゆとりを
失い、正しい判断をすることが出来なくなった人。董卓は富家とみれば残らず捕らえ、
罪を衣せて財産を没収しました。そのため無実の罪で死んだものは数えられない。
慷慨(こうがい)、歔欷(きょき)といった言葉を知りました。
「直言を避けていたら、人は成長しない」悪いところを遠慮なくいってもらえる
機会は社会人になると少なくなるものです。

ある官渡の戦いに勝利するところまでが描かれています。ここ
でも次から次へと興味深い人物がいっぱい出てきます。そして
現代でも変わらない人間の機微を学ぶことが多かったです。
『袁術はもともと人の痛みがわからない質であり、そのほかに
― ものごとには順序というものがつのだ。、と人事における優先順位を
胸中で定めていたが、それは自分への奉仕の度合を反映されたものである』
功労者を上位に置くだけの人事。。。まさにどっかの内閣人事と一緒ですね

『うぬぼれていては、自分のなかに知恵をうける器をつくれない』
『まえの敵より、うしろの敵のほうが何倍も恐ろしい』
『決断をもたぬ者に良籌を献じても意義をなさない』
あと自分も気をつけないと

『憎悪する感情が強すぎて判断の正立が得られず、誤判する』こと。
あと何年続き、最終的に何巻で終わるのか分かりませんが、リタイアすることなく
最後まで読みきりたいものです。
「特別付録」として添付されていたものが文藝春秋のサイトから読むことが出来ます。
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後漢王朝皇帝全十四代在位一覧・帝室系図