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公開後、初めての金曜日シネスイッチ銀座で観て来ました。
映画の前に寄ったセール会場が混んでいて会計に時間が掛かってしまい、
19時に映画館に着いたのですが、まあ何とか座って観ることが出来ました。
2004年に亡くなったフランソワーズ・サガンの半生を描いた伝記映画。
パーティー三昧やギャンブルでの浪費、スピード狂に自動車事故、そして薬物所持や
脱税での逮捕。いろんなことがありすぎて、それらを2時間弱に押し込めると事実の
羅列だけに終始してしまって、感情移入できる場面があまりありませんでした。
作品を出す度に話題を呼び、稼いだ大金に群がる取り巻きたちに囲まれて楽しいようでいて、
実は孤独で不幸な人だなあとは思いました。コカイン中毒だった晩年は借金だらけで、
映画ではお手伝いさん以外に身近で心配してくれる人はいなかったわけですしね。
それにしても「悲しみよ こんにちは」の印税5億フランは当時で約364億円、取り巻きと
行ったカジノでやったルーレットで一晩に稼いだ800万フラン(約6億円)で別荘を衝動買い
したとか、ケタ外れの規模のエピソードに驚くと同時に色んなことから『自由』でい続けた
ところがちょっと格好良くも感じました。
『自由』であったとはいえ、フランソワーズ・サガンは地方の裕福な家庭の娘で、身に着ける
ものや考え方などはブルジョワ的で、自分に必要なくなったらバッサリと切り捨てる冷たさも
持ち合わせている。そういう複雑なところも魅力的だったんだろうな、恐らく。
辛辣なユーモアを織り交ぜながら話をしていたかと思えば少女のように笑い崩れたり、神経質に
髪を触る仕草だったり、と自分のイメージしているフランソワーズ・サガンの雰囲気に演じて
いるシルヴィ・テステューがぴったり重なりました。