肝臓病と共に生きる人たちを応援します

肝臓友の会との関わりで成長した肝臓専門医のブログです。2017.2.12より新規開始しました。

シメプレビル(ソブリアード)を使い始めて 3ヶ月 2014年3月20日現在

2014年03月20日 | インターフェロン療法について
 
ソブリアードが使えるようになってから3ヶ月以上が経過しました。使い始めた患者さんは関連施設をあわせ、23名いました。一ヶ月目のウイルス量が判明している患者さんは、19名で、そのうち1カ月目までに陰性化している患者さんは、14名(74%)です。
2ヶ月目のウイルス量が判明している患者さんは11名で、11名(100%)が陰性化を継続、3ヶ月目まで判明しいてる方は、3名いて、陰性化を継続してる方は2名(66%)です。残念ながら3ヶ月目で陽性化した患者さんがいました。
初回で、普通量投与できたかんじゃさんは、1名、再投与で普通量できた方が1名、他は何かしらの減量を行って投与の形となっています。副作用が我慢できる調整の中で、より多く効果が出てくれること期待したいです。

いったんウイルスが減少しても消えきらず、再上昇してきた患者さんが3例ありました。いったん消えてから出た方は1名いました。

最終的にウイルスが消えなくても、肝臓の中のウイルス量が減る効果はありそうな印象があります。次の治療にこのウイルス減少が効果的となることが少量長期の例では実感することが多いので、もし一回減って出てくる方であっても、しないいるよりははるかに意義があると考えてもらえればと思います。
より副作用なく効果的な治療が、必ず出てくるようになってきているので、ウイルスが消えて、経過観察だけで良くなって、さらに、観察が不要になって予防的な関わりで過ごせるようになってくれたらいいなと思います。

ソブリアード効かないかたもいます

2014年03月19日 | インターフェロン療法について
1月からソブリアード開始した患者さんで二人効かないかたがいました。
前治療で、ペガシス180、コペガス600でいったん陰性になるも再陽性化して、その後ペグイントロン100レベトール400では無効で足の違和感があるため中止、ペガシス90とコペガス400から開始して135と600間で造瘻してウイルス量が5.0まで下がっていた患者さんでした。そこで今回ウイルス量6.0からの出発で、ペガシス135 コペガス600でソブリアードを開始。2週間目には2.5まで下がったのですが4週目には3.3、4週目には6.1となっており、効果ないと判断しソブリアードは中止し、抗炎症目的でペグリバだけ継続の形としました。テラビックの使用を検討していきたいと思います。

もう1例は、ペガコペで無効で単独療法をしてもウイルス減らず、フェロンレベトールとしてちょっとウイルス減るも貧血強く中止、倦怠感などの副作用も強いため、ペグイントロン50、レベトール200から開始、ウイルス量は6.3からのスタートでしたが、1週目、2.5まで減ったのですが、2週目で3.3、4週目で5.5となり、倦怠感も強くなっていたため、3剤を中止としました。
次の治療に期待して頑張りましょうと話しています。

C型肝炎変わる治療 北海道新聞2014年2月26日記事

2014年03月01日 | インターフェロン療法について
 
 ←大きく見たい方はこちら
道新の取材でコメントが載りました。新しいいい治療がどんどん出てくること伝わってくれたらと思います。
 
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ソブリアード開始してみて 1週目の患者さんのウイルス量

2014年01月24日 | インターフェロン療法について
 
1月前半までに10例程度導入してみました。いろんなパターンの患者さんがいますが、副作用がなるべく出ないかペグインターフェロンとリバビリンを使ってみてから開始した方もいます。これはある意味、ウイルス量を減らしてからの投与となる方法で、そのままソブリアードを併用できるとさらに効果が上がるかなと期待しています。
2人入院で導入しましたが、他8例は全て外来でした。入院導入がかなりハードルになっていることはうかがえます。
おおむね1週目でウイルス量が2を切っています。1週目で1.2未満ケンシュツセズになった方は2例で、4週目までに陰性化してくれたらと期待しています。

不整脈があるため減量で開始した女性の患者さんは、ペガシス45を月1回とコペガス200でウイルス量が6台から3.9に減っていた患者さんに追加してみました。うまくいって欲しいです。

インターフェロン療法が外来で出来ないかと思っている患者さんへ

2013年12月28日 | インターフェロン療法について
現在ソブリアードは、入院で2週間経過を診ることが推奨されています。このため、入院での導入しか認めない医療機関がたくさんあります。
しかし、外来での導入が可能な場合があります、条件は医療機関によって様々だとは思いますが、もし、外来での導入ができたら開始できるのにという方は、かかりつけの先生に相談してみるといいかと思います。道内であれば、私たちの肝臓センターでは外来導入も検討します。
ソブリアードも現在、外来導入できた方が2人います。入院導入は2名です。他のインターフェロンでも同様に外来導入ができる方の方がほとんどです。基本は入院での導入ですが、仕事など条件が合わない方が1人でも多くウイルスの陰性化へつながるためには第来での導入も検討していかないとなら無いと思っています。

インターフェロン治療の体験談の募集について 厚労省

2009年04月06日 | インターフェロン療法について
厚労省で、インターフェロンの体験談を募集していますね。
インターネットで、書いている患者さんもしっかりと検索して見てほしいですね。どんなに大変か、副作用がほとんどない人もいないわけではないので、ちゃんと助けてくれる方向に理解して欲しいです。みなさんの体験を是非報告してみて下さい。
以下は引用です。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou09/taiken/index.html

厚生労働省では平成20年度から、新しい肝炎総合対策に取り組んでおり、その柱としてインターフェロン治療に係る医療費助成制度を開始しております。
インターフェロン治療は、個人差がありますが強い副作用が現れることもあり、それを心配して治療に踏み切れない方や、仕事や家事に追われて入院・通院を躊躇する方も多くいらっしゃいます。
そこで、厚生労働省では実際に肝炎の治療を体験された方々から、どのように副作用を克服されたのか、また、仕事や家事と治療とをどのように両立されたのかなど治療の体験談を広く募集いたします。
お寄せいただいた体験談については、選考過程を経て厚生労働省作成のリーフレットやホームページ等に掲載させていただき、現在治療中の方やこれから治療を始めようと考えていらっしゃる方々の参考となるよう活用させていただくとともに、肝炎という病気を多くの方に知っていただき、早期発見・早期治療につなげていきたいと考えております。
治療を体験された方であれば、特に応募制限はありませんので、より多くの方々からのご応募をお待ち申し上げております。
(応募内容)
1、応募資格
インターフェロン治療を体験された方

2、形式
400字程度

3、応募方法
はがき、手紙、FAX、電子メール(kanen-taisaku2@mhlw.go.jp)のいずれかで、別紙の要領により次の宛先まで応募してください。
<別紙 応募要領はこちら>(Word:26KB)

<宛先> 〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2
厚生労働省健康局疾病対策課肝炎対策推進室
FAX 03-3595-2169
4、募集期間
平成21年3月30日(月)~平成21年4月15日(水)

5、発表方法
採用された方に通知するほか、ホームページ等で発表
※  発表の際には、個人名は記載せず、<40代・会社員・男性>のように表記します。
また、個人情報保護の観点から、体験談本文の一部を編集させていただく場合があることをあらかじめご了承ください。

スミフェロンも肝硬変に適応が広がりました。

2008年10月23日 | インターフェロン療法について
これまで、肝硬変の一部の方(インターフェロン単独療法が効果がある場合)へのインターフェロン療法は、フェロンしか認められていなかったのがスミフェロンも投与可能になります。詳しくまだ聞いていないので、わかり次第のせていきたいと思います。

ペグインターフェロン リバビリン併用療法が72週投与可能に全国的に認められることに

2008年10月23日 | インターフェロン療法について
先日、製薬会社の人が、厚生労働省の方でも、サブタイプ1でウイルス量の多い場合など、ウイルス消失の時間がかかる場合、ペグインターフェロンとリバビリン療法の48週投与から72週投与を認めるという返答が来たそうです。
北海道は以前から72週投与が認められていましたが、全国でも認められる形になったということになるようです。安心して治療が続けられます。

16インターフェロン療法の開始年齢について

2007年12月03日 | インターフェロン療法について

インターフェロンの開始年齢については、インターフェロンが保険適応になった1992年と現在とでは10才くらいの開きが出てきました。というのは、保険適応になった当時は、65才までの方が対象ということでそれ以上の人には使わない方がいいのではないかという話が良くされました。治験でのデータも65才までの方の安全を確認しているに過ぎないと言う形で、66才以上の人たちに試用することで副作用が出ることが心配とか、65才以上では肝癌よりも他の病気でなくなることが多くなるから治療の意味もないのではないかともっともらしく説明していたものでした。現在はどうでしょう、治験も75才までの方が適応となるように幅が広がり、高齢といわれる方々にも、比較的安全に出来そうだと発表する先生方も増えてきました。
私自身、体力があって元気な方であれば、100才を目指して頑張りましょうという方なので、年齢で基準を決めるのは意味がないなあと思いつつ、どの方にも勧められる方法ではないところがあるため、慎重に検討して行くというのが大切だなと思いつつ診療をしてきました。

スライドは、各年齢層でどのように考えて、インターフェロンをした方がいいかを考えてるかを簡単に書いたものです。以前よりは、先輩方の治療の幅が広がっていますが、75才以上の方については、慎重に検討する必要があると言うことになっています。主治医の先生と相談しつつ自分にあった治療法を是非見つけて頑張っていただければと思います。

15高齢な方のインターフェロン療法 C型肝炎

2007年11月30日 | インターフェロン療法について

高齢というと、何歳くらいになるでしょう、65才以上を高齢というように勉強してきたのですが、最近は、65才では若いと思える時代に入ってきてるのではないでしょうか。インターフェロン療法も高齢者には辛い治療と言うことで、65才以上は、原則的にしないようにしていた時期もありました。現在は70才75才でも、検討していけるのではないかという発表もされるようになってきていて、人間の健康状態は100才に向けてどんどん進化?してるのかなあと思ったりします。

今回のスライドは、84才の方のインターフェロン療法のものです、75才以上のインターフェロン療法については、慎重に検討すべきと、副作用と効果、寿命などはっきりとラインが引けるものではないところで、いろいろと検討されています。個々の患者さんとよく相談した上で決めるというと、それ以上はなせるものがないですが、進行したりして寿命にかかわるような場合は治療としましょうというのが大筋と言うところでしょうか。
このスライドの患者さんは、AST、ALTが高く肝炎が強かったこと、ウイルス量が少なくてインターフェロンの効果が期待できたことから、副作用に注意して開始した方でした。結果としてたの病気で入院が必要となったため普通量の4分の1で開始して、たった4回でウイルスが消えたというとても、ラッキーな患者さんでした。

すべてについてこのようなラッキーな形でウイルスが消えるなら本当にありがたいですが、そうも行かないのが現実です。しかし、年齢だけで判断してインターフェロンをしないとなるとこのような助かる人も助けられなくなると言う現実があります。より安全に効果的な治療法を常に追求しているので、さらにいい治療となっていってほしいと思います。

14少量長期インターフェロン療法について

2007年11月28日 | インターフェロン療法について

インターフェロン療法というと決められた量を決められた期間しなくては、効果がない、なんとしても最後まで頑張らなければと気合いを入れて、考える方がいます。以前のインターフェロン療法であれば6ヶ月しか使えないから、なんとしても頑張りましょうという感じが漂っていたと思うのですが、現在は併用療法によるインターフェロン療法以外は、何回も繰り返すことが可能となってきており、体調に合わせて、ゆっくりやるのがいいと、頑張っている、高齢の患者さんもいらっしゃいます。

インターフェロン療法の目的は、ウイルス排除が一番の効果ですが、現在は、炎症を改善したり、肝癌の発生を抑える可能性があるということで、少量で一年以上の長期間加療を受ける方が増えてきています。ウイルスが消える可能性は少ないですが、副作用の強い治療を続けるよりも、ゆっくり気長に出来る治療を選択することも、大切な場合があります。もちろん休んだり、再開したりも可能となっていますので、仕事や、家の用事なども考慮しつつ行うことも出来ます。
すべてにおいて、望ましいというわけではありませんが、いろんな工夫をしながら頑張っている患者さんがいます。

私も、なんとか、インターフェロン療法の効果を引き出して、肝癌の発生を少しでも減らしたいと思って、色々と考えてきました。インターフェロンはしたいんだけど、副作用が心配と言うことでできない人、体力に自信がないとできない人いろんな人がいます。そういう方に、お試し的にインターフェロンをしてみましょと話す場合に、普通量の16分の1の量でどうかなと話してみることがあります。これはペガシスというインターフェロンですが、180を週一回というのが普通量なのですが、45で月1回ということで、はじめてみましょうといつでもやめられますからね。無理はしちゃダメですからねと話ながら行います。
実際この方法ではじめてみたら、10人に一人は無理と言うことでやめていますが、残りの9人の方はこれなら何とか出来そうだと喜んでくれました。

その後続けられるかどうかは、人それぞれですが、半分以上の方がつづけられていることから、本来ならインターフェロンをせずにあきらめていた人たちが、インターフェロン療法に取り組めたということがまず一歩となっています。ウイルスが消えてくれた人もいますし、炎症が治まった人もいます。全く変わらない人もいますが、治療を行えたという前向きな気持は、やって良かったと思えるレベルでした。生きがい的な面をどう評価するか、それが治療として意味があるかなど評価方法はむずかしいですが、この点も徐々に明らかになるものと思っています。

13インターフェロン療法におけるかかりつけ医と専門医

2007年11月27日 | インターフェロン療法について

すべてのC型肝炎患者さんの治療を肝臓専門医に集中するという方法は、現実には不可能です。
専門医にかかればすべてが解決すると言うことでもありません。いろんなことを相談できるかかりつけ医が地元にいる場合はその先生と専門医の先生が連携をとれることが、とても患者さんにとっては安心です。
専門外の治療は、医師にとっては、非常に不安が強く、副作用を強調してしまう傾向や、早めに減量や中止をするという慎重な対応が必要となる場合がたまにあります。

実際専門医がそばにいない地域もたくさんあり、この辺は難しい場合も多いともいえます。理想的な連携をとれる環境が実現するよう頑張っていきたいと思います。

12インターフェロンの開始年齢

2007年11月26日 | インターフェロン療法について

このスライドは、私たちが患者さんと2000年から2005年までに経験してきたIFN療法の年齢分布です。女性は60代にピークがあり男性は50代にピークがあります。だんだんと全体が年齢を重ねてきているので、インターフェロンが認可されるようになった1992年より、15年経過しているわけです。当時65才以下が適応と、年齢で限界が決められているかのような、話がたくさんありましたが、現在は、75才までは、何らかの形でIFN療法を検討できるのではないかと言われるようになってきました。

肝炎の方は、何才になっても肝癌になる可能性があることがわかってきており、肝硬変や肝癌になる可能性があるのであれば治療をするべきと考えられるようになってきました。以前は、高齢者の場合は進行が遅く、肝癌よりも脳卒中や心臓病でなくなる人がおおいから、インターフェロンはしないでも大丈夫なんて言われていた時期もありましたが、現在はそうではないと言うことがよくわかってきており、ウイルス肝炎の多発している年代の方は、ウイルスがいる状態で肝炎が持続することで肝癌の発生が何歳でもあり得ることがわかってきています。日本には、このウイルス肝炎の多発する年代層があり、国民病として、感染を広げた責任が、医療行為にあったことがだんだんと証明されつつあると思います。はやく国の対策を充実したものとして欲しい。患者さんの切実な思いは、いまもなお、聞かれます。

11C型肝炎ウイルスに対する再インターフェロン療法

2007年11月25日 | インターフェロン療法について

スライドは、C型肝炎ウイルスによる慢性肝炎のインターフェロン療法で初回ではなく、2回目以降のインターフェロン療法をする人対象のガイドラインです。

2回以上のインターフェロンとなると、さまざまなパターンがあるため、単純なものではなくなることもたびたびですが、1回目が効かなかったと言うことで、現在行える、インターフェロン療法で効果が高いとされる、ペグインターフェロンとリバビリンの併用療法が第1洗濯とされることが多いと言えます。しかし、1回目以降のインターフェロンの副作用により、いろいろな症状が出る場合、単独療法を選択した方がいい場合もあり、各々の状態の応じて調節をしてもらう必要がある場合があります。

10C型肝炎ウイルスに対する初回インターフェロン療法

2007年11月24日 | インターフェロン療法について

2005年以降の、C型肝炎ウイルスに対する慢性肝炎の初回インターフェロン療法のガイドラインのスライドです。
ジェノタイプ1のウイルス量の多い方には、ペグインターフェロンとリバビリンの48週投与。
ジェノタイプ2のウイルス量の多い方は、ペグインターフェロンとリバビリンの24週投与。
ウイルス量が100k未満の方には、ペグインターフェロンの単独療法で24から48週投与。
これが、基本的な治療方針とされています。もちろん、患者さんの体調や環境などによって必ずしもこれがベストとならないことはあり得ます。専門医との連携がとれる方は是非かかりつけ医との連携を取りつつ行っていただけたらいいと思いますし。なかなか、近くにいない場合は、主治医の先生とよく相談室しつつ行えればいいとおもいます。

どちらにしても現在は、48週間から72週間とする場合もあったりと、ガイドライン通には行かないこともよくあります。一つの指標と考えていただければと思います。