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蜂群崩壊症候群(CCD)は私たちへの警告 崎谷先生のメールから

2015年04月02日 | 健康になるために 生き方について
■「蜂群崩壊症候群(CCD)は私たちへの警告」
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みなさん、こんにちは。
崎谷です。
少し長文ですが、以下の文章をお読みになってください。

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大陸を横断する長旅のあと
充血した目つきでよろよろと空港に降り立ち
コカコーラを朝食の代わりに飲んで元気をつける。
すぐにレンタカーに飛び乗って、得意先との会議に向かうが
車のナビゲーションシステムが壊れたせいで道に迷ってしまう。

ようやく遅れて会議にたどりついたときには
いらいらして、震えが止まらない。

会議中にはお腹の具合がずっとおかしく
頻回に下痢をしてトイレにいかなくてはならない。

どうも体が痒い。
ノミが付着しているようだ。

さらに会議に戻ると、害虫駆除会社がやってきて
吐き気をもよおす白い煙を部屋中にまき散らす。

気分はもう最悪である。

けれどもくよくよしている暇はない。
このあとも夜遅くまで、いくつもの会議が目白押しだ。

そのあと、とんぼ返りで飛行機に乗り
目を充血させて家に戻ることになっている。

ゆっくり座って食事をとる時間などないので
車を運転しながらドーナツにかぶりつく。。。。

(『ハチはなぜ大量死したのか』文藝春秋2009年を一部改変)
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この文章は現在のミツバチの状況を人間にあてはめたものです。

ハチミツは、いま農作物を受粉させるために
大変なストレス状況に置かれています。

数週間ごとに数百キロ離れた新しいところに連れて行かれ
慢性ストレス下のもと、糖度の高いコーンシロップで
気合を入れられ、殺虫剤・抗生剤を投与され
耐性のある病原菌やウイルスに侵され
ボロボロになっています。

このライフスタイルの「複合汚染」が
ある日突然ミツバチが突然絶滅する
蜂群崩壊症候群(CCD)を引き起こています。

そしてミツバチの減少で農作物ができなくなるという
実際的な問題がここ10年間で世界的に大問題になっています。

しかし、それ以上にこのミツバチの崩壊現象は
わたしたち、現代人に対する痛烈な”警告”と
とらえなくてはいけません。

最初に長々と文章を引用したのは
私たちのライフスタイルもミツバチと
そうは変わらないということを
みなさんに実感してもらいたいという意図でした。

「非生産的で心身の疲れる仕事、長旅、睡眠不足
有害な化学物質への暴露、経済的問題に対する恐怖・不安
ウイルス・バクテリアの感染、高カロリーだが栄養のない食事。。。。」

わたしたち現代人の環境は
ミツバチの置かれている環境と同じです。

このうちのストレス要因の一つや二つくらいなら
何とかしのげるかも知れません。

しかし、これらが複合すれば、ぎりぎり耐えている心身に
最後に何かの小さなストレス要因が加わったとしても
一気に蜂群崩壊症候群のように
転落死してしまうでしょう。
これが心身の慢性病の発症です。

私たちの体内貯蔵のエネルギーは限られています。
こういった複合的なストレスに対処するために
エネルギーが割かれれば
体のメインテナンスや生殖といった
長期的な健康を維持できません。

複合汚染が慢性病や不妊に結びついているのは
エネルギーの観点からも明らかですね。

ミツバチが疲労して絶滅していく様子が
現代人にかさなって見えるのは私だけでしょうか。

この複合汚染は目先の利益が神になっている
現代社会では不可避です。
個人の力ではどうしようもありません。
せめてパレオライフスタイルで
少しでもストレス要因を減らしていくことが
”生命力”を取り戻すためにまず取り組むべきことなのです。

札幌緑愛病院外来 あいさつ動画 2015年4月版

2015年04月02日 | 肝臓センター
2015年4月院長挨拶

4月のスローガンを紹介します。元気で長生きするために当院を是非活用ください。これからもよろしくお願いいたします。外来の待合で流している動画です。今回から編集して少しかっこよくなりました。あ、私の顔の修正ではありません。