ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

カエルの靴ベラ

2016年06月04日 | 動物
庭に置きっぱなしだった材を梅雨になる前に整理して屋根下に入れる作業をしました。


板の山を崩していると、




あー、スズメバチが巣を作っていました。

気の毒ですが駆除です。







巣には丸々とした蜂の子がいましたが。





さらに板をどけると、



へんな生き物が。

ネズミの親子ですが、母親が動くと子供たちがそのあとを電車ごっこの様にくっついて動くしぐさが妙に可愛い。

正確にはネズミではなくトガリネズミの一種らしい。








カエルの靴ベラを作りました。

ずいぶん前に作ったことがあるものですが、お客様がホームページで見つけてご注文頂きました。

カエルが靴ベラのスタンドになっているものです。

無事に帰るという意味もあります。







ヘラを先に作っておき、二つのブロックに挟むようにヘラが刺さる形に穴をうがちます。











そのブロックを接着したものがカエルになりますが、

そのままではヘラが斜めに生えてしまうので、





ヘラが立つように下を切ります。






カエルの形に線を描き、帯鋸で大まかに切ります。






この後はひたすら手作業。

鑿や彫刻刀で形を作っていきます。








こんなカエルになります。

我ながらプリミティブ~!






これはカエルの伸びたベロ、つまりヘラ取っ手に着く虫。

洒落です。




漆塗りで仕上げます。











トンボに鋲を打ち、ヘラには磁石を付けて、トンボが止まるようになっています。











がま池

2016年03月30日 | 動物
雨が降っている夜道を自転車で帰っている時です。




道の真ん中に何かがいました。

ヒキガエルです。


メスにオスが変な形でしがみついて、身動きが取れなくなっています。



交通量が少ない山村の旧道とはいえ、たまには車も通ります。

轢かれないように、つまみ上げて道端に移動させました。










ヒキガエルについて書かれたいくつかの本を思い出すに、


・ヒキガエルは産卵時期になると生まれた池に帰ってくる。

・オスはメスを待ちかまえ、メスを見つけるや否や争って抱きつく。

・間違って抱きつかれたオスはグーと鳴いてメスではないことを主張する。


など。




さらに進むとまた何匹かオスがいました。

まあのんびりした奴らで、逃げるようことはありません。









さらに道を進むと、側溝の中で鳴き声がします。

側溝には蓋があるので、カエルはもう出ることができないのではないかと心配です。


穴から覗くとカエルがやはり中で包接しているのがちらっと窺えます。


すわレスキュー!と狭い穴に手を入れてカエルの手を掴み、何とか二匹を吊り上げました。



さすがにこうなるとオスも手を放し、手足を縮めて石に化けたりします。





しかし私の住んでいるのは源流の里で、流れの急な沢はあれど、池のような溜まり水はありません。

水田がない村というのも日本では稀なのではないでしょうか?

調べたことはありませんが。




長年の間、ヒキガエルは見かけるもののその産卵場所は知らないのででした。

ちなみに工房の池に来るヤマアカガエルの卵は川のちょっとした淀みにはたくさん見かけます。







翌日、思い切ってヒキガエルを見かけたあたりに住んでいるお年寄りに
「ヒキガエルが卵を産みに来るところを知りませんか?」と訊いてみました。


すると「うちの池に来るよ」とあっさり長年の疑問は解決されました。









これが「ガマ池」です。



川の本流から一段高いところに畑があり、畑地の終わりは高い石垣になっていていその石垣の上に集落があります。

その集落を貫いて私の通勤路があります。

ヒキガエルの産卵する池は石垣の麓にあります。



池は長さ10m、幅は4mくらいでしょうか。

80歳過ぎのおじいさんにきいても昔からあるということしかわかりません。





池には鯉がいて、姿はなかなか見せませんが何十匹というヒキガエルが蛙合戦を繰り広げていました。





いままさに池に入ろとしている奴。


じっと見ていると時々浮かんできては息をする包接したつがい。

それに横恋慕するオスたち。

ぐーぐーとヒキガエルの鳴き声が何とも言えない風情です。






やたら何かのに抱きつきたがるオスが鯉にしがみついて殺してしまったようです。

鯉は死んでもまだ抱き着いたままです。







卵もありました。

ひも状の卵塊がヒキガエルの特徴ですね。



この池がこのあたり一帯のヒキガエルの繁殖を担っているのかもしれないと思うと、
なんと大切な池なんだろうと愛しく思われました。








やっと木蓮がほころび始めたような季節になりました。


山鳥訪問

2014年11月17日 | 動物
霜が降りました。








時計をお作りしたお客様が完成したものの写真を送ってくださいました。






結婚の記念品として、一枚の板から三つの時計を作り、本人たちとと親御さんで分け合うとアイデアです。
文字盤や字、絵、塗装や組み立てもご自分たちでなさったものです。

2014年9月18日


素敵な絵付けですね。参考になります。







催事期間中でしたが、14日の金曜日は店番をお休みして会場に行かず、工房で仕事をしました。


朝、工房に行くと、建物の裏側の窓ガラスがこなごなに砕けていました。
風が入ってきて、寒々としています。

裏はもう使われていない畑で、人が来ることはほとんどありません。
投石?とも思いましたが、恨まれたりいたずらされるような覚えもない。
なにしろ人がいないので。

飛び散ったガラスを片づけていると石が落ちていることもなく、ひとひらの鳥の羽が落ちていたので、
鳥がぶつかったのであろうということになりました。
擦りガラスなんですが、そういうことがあるのですね。
鳥の姿がないので、割れた窓からすでに逃げたのだろうと思われました。

仕方ないので、目立たないところの窓のガラスを外して交換しました。




さて、月曜日。

催事が済んで工房に帰り、片づけなどしていると、部屋の隅からいきなり鳥が現れ、びっくり仰天。




材木の陰に隠れてはいます。



つつかれないよう軍手をはめて捕獲。
弱っているのか、すぐに掴まりました。









鳥を小脇に抱えて、片手でカメラを持って液晶が見られないままの自撮りですので、まずい写真ですが。

抱くと鳥ってあたたかい。


山鳥のメスのようです。

逃がしてやったら山に飛んでいきました。


ほぼ三日間絶食してたはずですが、よく飛べました。


そう思って工房内を見渡すと、フンが落ちているし、棚の物も落っこちている。



ということは、金曜日、私が仕事をしている間、彼女は工房のどこかでびくびくと隠れて過ごし、
土日は室内をすきっ腹を抱えてうろうろしていたわけです。



狩猟も始まり、あわてていたのでしょうか?



逃がさないで食っちまうという手もあったのかなあと、ちょっと思ったりしました。

クルミのチェスト

2013年07月08日 | 動物
土日は曇りがちで雨も降ったので、梅雨明けはどうせ早とちりであろうと思っていましたが、
今日はすっかり晴れてしまいました。





あきらめて扇風機を出す。




10日ほどかけて作っていたキャビネットができました。
催事用に作ったもので、注文品ではありません。






これは組み立てているところ。






これが図面です。
右の足と左の足が違うのは作っていて悩んだからです。
注文品でないので自由な分、悩みも多い。


そこで、、、




四角い足の部材を仮付けし、








A案とB案の形を紙に切り抜いて貼り付けて検討してみました。



いろいろ考えましたが、日本家屋に猫足もなあ、と思いシンプルな方になりました。






足の着くホゾ穴を掘ります。
おおよそ機械で掘ってからノミで仕上げます。





板厚が2cmしかないので深い穴が掘れません。
強度に問題はないとは思いましたが、保険に一本ネジを入れておきました。






付けたらこんな感じ。






これはツマミです。
名前のわからない黒い木を使います。マメ科の紫檀の仲間の木なのは確かです。もらった木なんです。
四角いうちにネジの付く穴をあけておきます。






同じく四角いうちに指がかかる凹みも加工しておきます。
小刀で荒どりをして、






作業台の万力にしっかり挟んで彫刻刀で加工します。
小さいものの加工は持つ手の方が疲れます。
このように固定して加工できるととても楽です。
体重をかけて刃物が使えます。






指がかかる部分の加工が済みました。






その後表側を仕上げました。
丁寧に磨くと艶のでる木です。






ちょっとクールな感じを狙ったつもりです。






扉や引き出しやいろいろ作ってツマミを付けて塗って完成しました。


群馬県庁での催事に出品しますので、ご覧ください。
群馬ウッドクラフト作家協会





いつの間にか、ヒグラシが降るように鳴いています。

オオムラサキも飛び始めました。





やっと撮った蛍の写真です。
独特の色の光ですね。
今年はとても多いようです。見られる期間も長いです。

キャビネットの制作 3

2012年09月07日 | 動物


雨上がりにデンデンムシとは出来すぎだ。




キャビネット制作、仕上げは取っ手作り。




四角い感じのものを作って付けてみた。この方が楽だし、とちょっと気を抜いた考えがよぎる。





当初の、図面を描いたイメージのものを作って付けてみる。やっぱりこちらだね。
手間がかかるけどしょうがない。





取っ手作り。小さいものを作るのは保持が大変。何とかクランプにくわえて加工できました。





上からの写真。銀杏の実のようなわずかな稜線が身上です。





オイルをかけて取っ手を付けて完成です。オイルをかけるとしっとりとした輝きになります。

明日は納品。一台車に積んで、一台工房に残ります。
残された子は、ずっと一緒に育ったのに引き離さてしまった双子の姉妹の様にさびしそうに見えます。






最近、蛾が明かりに来ます。カメムシが好きとか、蛾が綺麗とかいうと変人に思われそうですが、、、、




ほら!きれいでしょう?
ヤママユ。でかい。透明な窓が神秘的。




名前は知らず。複雑な羽の模様がすばらしい。触覚も面白いかたち。




変な形の蛾。




水玉がおしゃれ。


窓の明かりに来るから、みな逆光で写真を撮りにくい。