ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

大テーブルの制作 2

2014年01月15日 | 木工
先週少々降った雪が踏み固められて、通勤路がアイスバーンになっています。




ここを自転車で通るのはかなりキケン!





川も徐々に凍り始めています。







さて、大テーブルの制作も佳境に入りました。





天板の加工がほぼ終わりました。
5枚の板を組み合わせてあります。
長さ5.1m、横が3.1m。






一番苦労したのがこの「枝」が付くところです。
枝側に外アール、幹側に内アールを付けて接合しました。
自然の耳をそのまま使った板を組み合わせていますので、その不規則な形どうしをどう合わせるかが悩むところです。






そのアールの接合面を加工するのにはまず、
1枚のベニヤに大きなコンパスで円周を描き、その線を切って完全に合う雄雌の型を作ります。
その型をそれぞれの部材に当てて、ベアリングの付いたルータービットで切削します。
そうすればぴたりと合う接合面ができます。(できるはず!論理上は)
写真は内アール側を加工したところです。





こちらは枝側、外アール。






接合面を作ったら結束する金具を入れる穴を掘ります。
部材が集中する「枝」付近の裏はこんなに賑やか。






頼んでおいた足になる丸太も届けてもらいました。
ケヤキなどの重い木ですと制作、搬入が困難になると考え、今回は桐の丸太にしました。
以前丸太を買いに行った際にそこの業者さんに相談して買ったものです。
その方のアドバイスで芯をチェーンソーで抜いてもらい、その後製材機で高さを揃えてもらいました。
丸太の芯を抜くと軽くなり、割れも抑えられ、乾燥も進むので一石三鳥です。
それでも十分重い。太いものは二人では持ち上がりません。
コンクリートの床の上でずり動かそうとしても、体重の軽い私では靴が空回りをしてしまいます。

この桐の丸太の表面を磨き、バーナーで焼き、また磨いて仕上げます。
きれいなようでも傷や割れなどがあります。
傷を削り取ったり、割れに糊を入れたりと、補修が必要です。
そのようにお店でゴミが出ないように処理しますが、自然の味がなくならないようにも気を使います。






丸太の足を、どれをどの向きで使えばかっこよくなるかも検討します。
建物の図面を見て、お店に来たお客様がまず見える姿を第一に考えます。

板の下に足を差し込み、板を台から降ろしてみました。
この作業は現場での作業のリハーサルでもあります。

テーブルの板に塗料が載ればもっとしっとりとした色になり木目もはっきりして、きれいなものになるはずです。



ちょうど施主さんも東京から見にいらして下さり、とても気に入っていただけたようです。
お店の内装もとても素敵そうで、出来上がりを想像するとワクワクします。
しかしちゃんと収まるまではドキドキです。