ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

本棚の納品

2014年10月22日 | 木工
本棚を納品してきました。


不覚にも、仕事で使っているハイエースに一回では載らないことが制作中に判明し、
二回に分けての納品となりました。






こちらが一回目に納品した壁一面の本棚。
材はサクラ。
二回目の納品にお伺いしたら少し本を入れ始めておられました。


この本棚を作るのにあたり、お部屋にお伺いして採寸をしました。
天井までマイナス1cmのぎりぎりのものを作ります。
間口、高さがともにが約240cmあります。
もちろんそんな大きなものは一体では作ることも搬入もできないので、5つの箱に分けて作りました。
下見の時に搬入が可能なのかも確認してあります。




さて、搬入して組み始めてみると、いろいろなことが起きました。

下の箱を置いて、いざ上の箱を乗せようとすると、
箱を持ち上げる先の天井に照明器具があり、真正面からは積み上げられないことがわかりました。
なにしろ天井ぎりぎりの1cmしか余裕がないので、天井に当るまで持ち上げてから水平に差し込まないと上の箱が入らないのです。
そういえば、この照明器具は下見の時にはなかったねー、と施主さんと顔を見合わせて苦笑い。

天井をよく眺めて、何も支障物のないこあたりで持ち上げ、こうずらしてこう差し込む、と、
パズルを解くように上の箱を入れる方法を考えて何とか設置できました。


しかし1cmあるはずの余裕が5mmしかありません。
採寸の間違いか、作った物の精度の問題か?

とりあえずほぼぴったりと本棚は収まり、結果オーライではあります。
上下左右の箱はネジで固着し、棚は天井ぴったりですので地震で揺れても本棚が倒れることはまずありません。
でも本は落ちますね。






三日空けて、お部屋の反対側の本棚+机を納品に伺いました。





この机は長さが1.8mあり、それに対してマンションのエレベーターは奥行が1.5mしかありません。
机を立ててエレベーターに乗せるような搬入になりました。



こちらも机の上の本棚は天井ぴったりです。


この棚をどう付けるか、しばらく悩みました。
L字の金具で横から止めるか、しかしそれでは金具が見えて野暮です。
机の甲板の下からネジで止めるか、いやそれは机の脚があるので不可能。

その答えは搬入前々日に、入浴中にひらめきました。


答えは実に簡単で、机を部屋の真ん中に置き、そこで棚をダボで組み、そのまま壁際に押し込む、というものです。

この机が置かれる方の天井は梁が通っていて、壁際だけ天井が低くなっています。
ですので天井の高いところでならば棚をダボで組むことができるのです。
この方法ならすっきりと棚が組めます。やれやれ。




ということで二日にわたった納品は無事終わりました。