ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

新作の椅子の制作 その1

2015年04月10日 | 木工
桜が咲いたあとなのに、雪が降りました。





タイヤも交換してしまったのに。

都心でもみぞれが降ったそうな。


桜の花が冷蔵保存されて、長持ちしそうです。






花吹雪ではありません。雪です。

一日中降りましたが、積もるようなことはありませんでした。












ガラスのショウケースを納品にお伺いしました。


前、後ろ、横、棚がガラスです。

ガラスをすべて入れた状態で見るのは私も納品した時が初めてでした。


しかしガラスばかりで、写真を撮っても何も写らないです。
物が入れば恰好がつくのでしょう。










新作の椅子を作り始めました。


新作といっても、過去に作ったものの発展型です。
定番の椅子のデザインを流用し、胡坐がかけるくらいの大きさの座面の椅子、というご注文です。




まず、図面をいくつか描いていろいろ検討します。







すわり心地などは「ファントム」と呼ばれる人型を用いて、背もたれや座面の形などをの適正な寸法、形を考えます。

この「ファントム」は奥村昭雄氏著『樹から生まれる家具』に載っている椅子の設計手法です。
この本には丁寧にもこの「ファントム」の図が載せてあります。
それをコピー機の倍率を操作して5分の1縮尺にコピーし、ボール紙に張って組み立てたものを使っています。
この本は木工関係の本では一番参考にしているかもしれません。
素晴らしい本です。







5分の1の模型を作って検討します。
お客様にもお見せしました。
その際、いくつかご要望をお聞きしして手直しがありました。

背もたれに紙が貼ってあるのは、デザインの変更点です。






ベニヤで原寸の型を起こし、それを使って木取りを始めました。
何脚か余計に作って見本にするつもりです。





しかし、木取りを始めると、使えると思った材にシミが出たり、虫が出たりと残念なことが起きます。
必要な長さや厚みや幅の物がなかなか揃わなかったり。



天然素材が相手の仕事は厄介なものです。