大質量銀河の進化の様子
近傍宇宙に存在する、太陽の1000億倍も重い大質量銀河のほとんどは、
楕円銀河のように星形成活動が見られません。
大質量銀河の星形成が、
いつ頃どのような規模で生じ、どの程度継続した後に止まってしまったのか?
星形成が止まった後にどのような過程を経て現在のような銀河になったのか?
いまだに多くの謎が残っているんですねー
今回の研究では、ビッグバンから40億年後(約100億年前)の宇宙で、
既に星形成を停止した銀河中の恒星に見られる情報に注目し、
星形成の歴史や銀河の進化を調べています。
恒星のスペクトルには、
年齢や金属量、元素組成に応じた特徴が“化石”のように刻まれているので、
この特徴を手掛かりにしたわけです。
星形成を行った期間
すばる望遠鏡の近赤外線多天体撮像分光装置“MOTRCS”を使って、
遠方にある楕円銀河を多数観測して合成し、
200時間もの観測時間に相当するスペクトルを得ています。
その合成スペクトルを解析してみると、
ビッグバンから40億年後の宇宙に存在する銀河は誕生から10億年ほど経っていて、
金属量が太陽に比べて1.7倍であること、
星形成の継続期間の指標となる元素“アルファ元素”と鉄の比が、
太陽の場合の2倍程度であることが分かりました。
遠方銀河で恒星のアルファ元素と鉄の比が求められたのは、
初めてのことになるそうです。
この結果から分かったことは、
銀河が星形成を行った期間は10億年より短かったこと。
また、銀河の金属量や元素組成比は、
現在の楕円銀河とビッグバン40億年後の銀河とで変化がないので、
大質量楕円銀河はビッグバンの40億年後の状態から、
星形成活動を生じることなく現在に至ったことが明らかになったんですねー
こうした大質量楕円銀河は、
活発に星形成をしていた時代には、どのような銀河だったのでしょうか?
観測対象の銀河の年齢は10億年なので、
その祖先は、さらに10億年前の宇宙で星形成を行っている銀河ということになります。
こうした祖先となる銀河の多くは、
1年あたり太陽の数百倍の質量に相当する星々を形成しています。
でも、このペースで星形成が続くと、
現在の宇宙に存在しないほどの質量になってしまうとことに…
なので、何らかの作用によって急激に星形成が停止し、
その後は星形成が行われなかったと考えられます。
今回kの研究により、
観測対象となった100億年前の銀河の、さらに10億年前の誕生期まで遡る、
110億年にわたる大質量銀河の形成の歴史が描き出されました。
今後は、1つ1つの銀河の性質を詳しく調べたり、
さらに遠方にこのような研究を拡張したりすることで、
楕円銀河形成の詳細に迫っていくそうです。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 100億年前の宇宙に発見! 突然星を作らなくなった“マエストロ”銀河
近傍宇宙に存在する、太陽の1000億倍も重い大質量銀河のほとんどは、
楕円銀河のように星形成活動が見られません。
大質量銀河の星形成が、
いつ頃どのような規模で生じ、どの程度継続した後に止まってしまったのか?
星形成が止まった後にどのような過程を経て現在のような銀河になったのか?
いまだに多くの謎が残っているんですねー
今回の研究では、ビッグバンから40億年後(約100億年前)の宇宙で、
既に星形成を停止した銀河中の恒星に見られる情報に注目し、
星形成の歴史や銀河の進化を調べています。
恒星のスペクトルには、
年齢や金属量、元素組成に応じた特徴が“化石”のように刻まれているので、
この特徴を手掛かりにしたわけです。
星形成を行った期間
すばる望遠鏡の近赤外線多天体撮像分光装置“MOTRCS”を使って、
遠方にある楕円銀河を多数観測して合成し、
200時間もの観測時間に相当するスペクトルを得ています。
その合成スペクトルを解析してみると、
ビッグバンから40億年後の宇宙に存在する銀河は誕生から10億年ほど経っていて、
金属量が太陽に比べて1.7倍であること、
星形成の継続期間の指標となる元素“アルファ元素”と鉄の比が、
太陽の場合の2倍程度であることが分かりました。
遠方銀河で恒星のアルファ元素と鉄の比が求められたのは、
初めてのことになるそうです。
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ビッグバンの40億年後の宇宙で観測された、 既に星形成を止めた銀河24天体の個々のスペクトル(左)と、 それらをすべて足し合わせた合成スペクトル(右)。 |
この結果から分かったことは、
銀河が星形成を行った期間は10億年より短かったこと。
また、銀河の金属量や元素組成比は、
現在の楕円銀河とビッグバン40億年後の銀河とで変化がないので、
大質量楕円銀河はビッグバンの40億年後の状態から、
星形成活動を生じることなく現在に至ったことが明らかになったんですねー
こうした大質量楕円銀河は、
活発に星形成をしていた時代には、どのような銀河だったのでしょうか?
観測対象の銀河の年齢は10億年なので、
その祖先は、さらに10億年前の宇宙で星形成を行っている銀河ということになります。
こうした祖先となる銀河の多くは、
1年あたり太陽の数百倍の質量に相当する星々を形成しています。
でも、このペースで星形成が続くと、
現在の宇宙に存在しないほどの質量になってしまうとことに…
なので、何らかの作用によって急激に星形成が停止し、
その後は星形成が行われなかったと考えられます。
今回kの研究により、
観測対象となった100億年前の銀河の、さらに10億年前の誕生期まで遡る、
110億年にわたる大質量銀河の形成の歴史が描き出されました。
今後は、1つ1つの銀河の性質を詳しく調べたり、
さらに遠方にこのような研究を拡張したりすることで、
楕円銀河形成の詳細に迫っていくそうです。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 100億年前の宇宙に発見! 突然星を作らなくなった“マエストロ”銀河