すばる望遠鏡による大規模な輝線銀河の探査から、
100億年前の宇宙に「星の生成がとまりつつある」大質量銀河が発見されました。
多数の超新星爆発によって起こる銀河嵐が原因で、
星生成が止まることがあります。
今回の発見は、その銀河嵐を示唆するもので、
銀河進化の全体像を理解するうえで大きな成果になるそうです。
星を作るのを止めつつある銀河
多くの楕円銀河や、
天の川銀河のような大型の渦巻銀河などの大質量銀河では、
100億年以上前に誕生した古い星々が大半を占めています。
宇宙年齢が30億歳の頃までは、
銀河で活発な星生成が行われていたことが観測から明らかになっていて、
大質量銀河もそうだと考えられています。
でも、約100億年前に突然星を作らなくなったんですねー
この“星生成抑制問題”を解決するには、
星を作るのを「止めつつある」銀河を見つけ、
何が起こっているかを、明らかにする必要があります。
矛盾した性質を持つ“マエストロ銀河”
今回の研究では、
すばる望遠鏡を用いた撮像サーベイ観測で銀河を探査しています。
多数のフィルターを用いて、
奥行き方向16億光年にもわたる広範囲を探査した結果、
不思議な性質を示す銀河を見つけます。
“マエストロ銀河”と名付けられた、これら6個の大質量銀河には、
ライマンα輝線が異常に強いという特徴がありました。
ライマンα輝線は、銀河で作られた大質量星からの紫外線で、
電離した水素ガスが放つスペクトル線です。
ただ“マエストロ銀河”では、
比較的古い年齢の星の割合が高く大質量星が少ないとう、
矛盾した性質も見られています。
超新星爆発と銀河嵐
この性質は、“マエストロ銀河”が「活発な星生成が止まった直後」か、
「星生成は続いているが、星生成率が急激に減少している最中」である、
可能性を示唆するもの。
その期間は数千万年程度とみられ、
銀河の歴史においては一瞬ともいえる短いフェーズをとらえた、
非常に重要な発見なんですねー
“マエストロ銀河”で星生成が終りかけているということは、
それまでに誕生した多数の大質量星が、
既に超新星爆発を起こしたと考えることができます。
多数の超新星爆発によって、銀河本体から風が吹き出すように逃げる、
“スーパーウインド(銀河嵐)”と呼ばれる現象が起こり、
銀河中のガスが外に押し出されることになります。
この衝撃で水素ガスが電離され強いライマンα輝線が放射され、
一方で星の材料となるガスが失われ、星生成が止まると考えれば、
矛盾したように見える性質も、上手く説明できます。
この解釈は、
ライマンα輝線が“マエストロ銀河”を取り巻くように拡がっている、
という観測結果とも一致しています。
大質量銀河の進化過程
大質量銀河では、生まれてから10億年ほど活発な星生成を行い、
誕生した大質量星が寿命を迎えると、超新星爆発で銀河風が発生します。
この銀河風により、ガスが銀河外に噴出されて星生成が止まり(マエストロ銀河)、
その後には小質量の星が残り、現在の宇宙で観測される楕円銀河などになる、
という進化が、今回の研究から見えてきましたね。
100億年前の宇宙に「星の生成がとまりつつある」大質量銀河が発見されました。
多数の超新星爆発によって起こる銀河嵐が原因で、
星生成が止まることがあります。
今回の発見は、その銀河嵐を示唆するもので、
銀河進化の全体像を理解するうえで大きな成果になるそうです。
星を作るのを止めつつある銀河
多くの楕円銀河や、
天の川銀河のような大型の渦巻銀河などの大質量銀河では、
100億年以上前に誕生した古い星々が大半を占めています。
宇宙年齢が30億歳の頃までは、
銀河で活発な星生成が行われていたことが観測から明らかになっていて、
大質量銀河もそうだと考えられています。
でも、約100億年前に突然星を作らなくなったんですねー
この“星生成抑制問題”を解決するには、
星を作るのを「止めつつある」銀河を見つけ、
何が起こっているかを、明らかにする必要があります。
矛盾した性質を持つ“マエストロ銀河”
今回の研究では、
すばる望遠鏡を用いた撮像サーベイ観測で銀河を探査しています。
多数のフィルターを用いて、
奥行き方向16億光年にもわたる広範囲を探査した結果、
不思議な性質を示す銀河を見つけます。
“マエストロ銀河”と名付けられた、これら6個の大質量銀河には、
ライマンα輝線が異常に強いという特徴がありました。
ライマンα輝線は、銀河で作られた大質量星からの紫外線で、
電離した水素ガスが放つスペクトル線です。
ただ“マエストロ銀河”では、
比較的古い年齢の星の割合が高く大質量星が少ないとう、
矛盾した性質も見られています。
![]() |
星生成を止めつつある“マエストロ銀河”の例。 青は電離ガス(ライマンα輝線)、緑は若い星、赤は古い星からの光を表す。 図中の横棒は10万光年。 |
超新星爆発と銀河嵐
この性質は、“マエストロ銀河”が「活発な星生成が止まった直後」か、
「星生成は続いているが、星生成率が急激に減少している最中」である、
可能性を示唆するもの。
その期間は数千万年程度とみられ、
銀河の歴史においては一瞬ともいえる短いフェーズをとらえた、
非常に重要な発見なんですねー
“マエストロ銀河”で星生成が終りかけているということは、
それまでに誕生した多数の大質量星が、
既に超新星爆発を起こしたと考えることができます。
多数の超新星爆発によって、銀河本体から風が吹き出すように逃げる、
“スーパーウインド(銀河嵐)”と呼ばれる現象が起こり、
銀河中のガスが外に押し出されることになります。
この衝撃で水素ガスが電離され強いライマンα輝線が放射され、
一方で星の材料となるガスが失われ、星生成が止まると考えれば、
矛盾したように見える性質も、上手く説明できます。
この解釈は、
ライマンα輝線が“マエストロ銀河”を取り巻くように拡がっている、
という観測結果とも一致しています。
![]() |
銀河が“星生成銀河”から“マエストロ銀河”を経て、 “パッシブ銀河(星生成をしていない銀河)”へ進化する様子。 |
大質量銀河の進化過程
大質量銀河では、生まれてから10億年ほど活発な星生成を行い、
誕生した大質量星が寿命を迎えると、超新星爆発で銀河風が発生します。
この銀河風により、ガスが銀河外に噴出されて星生成が止まり(マエストロ銀河)、
その後には小質量の星が残り、現在の宇宙で観測される楕円銀河などになる、
という進化が、今回の研究から見えてきましたね。
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