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太陽の300兆倍! 宇宙一明るい銀河を発見

2015年07月23日 | 宇宙 space
1000億個、あるいはそれ以上の銀河がひしめく宇宙で、
最大の輝きを放つ銀河が見つかったんですねー

この銀河は“WISE J224607.57-052635.0”といい、
明るさは太陽の300兆倍を超えているようです。
新たに発見された銀河“WISE J224607.57-052635.0”(イメージ図)
太陽の300兆倍以上という、宇宙一の明るさがある。


光の元は巨大ブラックホール

地球からはるか遠く離れたこの銀河の輝きは、
恒星によるものというよりも、
むしろ「怪物級のクエーサー」によるものでした。

銀河の中心にある巨大ブラックホールが、
ガスを大量に吸収し続けているため、
周囲のチリが過熱されて数百万度もの高温になります。

ここから放出された赤外線は、
宇宙のはるか遠くからでも観測できるんですねー


短期間で大きくなれた謎

問題は、この巨大クエーサーが放つ光が、
約125億年かけて地球に届いていることです。

そう、この光は、
ビッグバンからわずか10億年余り経ったころのもの。

どのようにすれば、ブラックホールが短期間で大きくなれたのか?
大きな謎が残ります。

しかも、こうした怪物級のブラックホールが見つかったのは、
これが初めてではないんですねー

2015年2月にも、
地上にある世界最大級の望遠鏡をいくつも駆使して、
さらに大きく古いブラックホールが発見されています。

ただ、今回の“WISE J224607.57-052635.0”は、
エネルギーの大半を赤外線として放出しているので、
見つけたのはNASAの赤外線探査衛星“WISE”でした。


謎が謎を呼ぶ

今回のブラックホールが、
短期間で桁外れの大きさへと成長できた仕組みについては、
いくつかの説があります。

1つは、このブラックホールが“エディントン限界”という、
考えうる最速のペースでガスを飲み込み続けたというもの。

ただ、この可能性は薄く、
限界を超える方法があるのかもしれないというレベル。

もう1つは、このブラックホールは誕生したときから巨大で、
それが成長したのかもしれないというもの。

こちらは、巨大なブラックホールが、
どのように誕生したのかという謎が残ってしまいます。

謎はもう1つあり、
初期宇宙で最大規模のブラックホールと、
現在観測している最大規模のブラックホールは、
質量が同程度ということ。

つまり、短期間で巨大化した謎だけでなく、
それ以上大きくならなかったのは何故かという謎ですね。


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