宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

地球には誕生直後から磁場があって大気や海を守っていた?

2017年03月29日 | 地球の観測
約45億年前の地球誕生直後から地球には磁場あった可能性が高い。
という研究成果が発表されたんですねー

この磁場のおかげで生命存在に必要な大気や海、
さらに生命そのものも守られてきたそうです。
  衛星データから作られた“地球のバリア”
    


外核の対流が磁場を形成

地球は誕生の最初の過程でマグマの海ができ、
その後に重い液体の鉄が、マグマ主成分のケイ素や酸素を取り込みながら、
中心部に集まって核(コア)を形成し、
外側には岩石成分のマントルができたとされています。

核には固体の内核と液体の外核があり、
外核が対流することで磁場ができることが分かっていました。

でも、内核と外核が分かれたのは約7億年前とされ、
45億年前にさかのぼる地球誕生の直後から磁場があったかどうかなど、
詳しいことは分かっていませんでした。

地球内部の二酸化ケイ素結晶化と対流運動。


対流と磁場は誕生直から形成

そこで今回の研究では、
地球の内部の環境と同じ高温高圧条件を作るための特殊な装置
“超高圧発生用ダイアモンドアンビル装置”を活用。

ケイ素と酸素を含む液体の鉄の変化などを、
地球内部の核に相当する気圧や温度条件の下で調査・解析しています。

その結果、地球の核の上部で二酸化ケイ素が結晶化して液体の鉄から分離。

残された液体の鉄が地球中心部に沈んで対流(組成対流)ができ、
その結果、磁場が形成されたという一連のメカニズムが分かってきました。

そして、この対流と磁場は、
地球誕生の直後から形成されていた可能性が高いことも明らかになります。


地球以外の惑星でも起こりえる

このことから想像できるのが、
地球の誕生直後から存在した磁場が太陽風を遮断して、
大気の散逸や海の水分の蒸発を防いだ可能性があること。
  過去には酸素がたくさんあった!? 火星の大気はどう変化してきたのか
    

さらに、地球表層への強い紫外線照射も防いで、
生命の陸上への進出を可能にしたことです。

最後に気になるのが、惑星誕生の直後から磁場を形成できた状況が、
地球だけの特別なものではないということです。

ほかの惑星でも起こりえる状況なら、
地球外生命が発生する可能性も高くなりますね。


こちらの記事もどうぞ
  太陽風が火星を不毛な環境にした? 大気喪失メカニズムによる気候変動
    


最新の画像もっと見る

コメントを投稿