宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

有人宇宙船“ドラゴン2”が、打ち上げ中断システムの試験に成功!

2015年05月28日 | 宇宙へ!(民間企業の挑戦)
“ドラゴン2”はスペースX社が開発中の有人宇宙船で、
5月6日に打ち上げ中断システムの試験に成功したんですねー

“ドラゴン2”の試験が行われたのは、ケープ・カナベラル空軍ステーション。

装備されている“スーパードレイコー”と呼ばれるスラスターが噴射され、
“ドラゴン2”は勢いよく空中へ。

上空で宇宙船の後部にあるトランク部を分離し、
続いて“ドローグ・シュート”と呼ばれる小さなパラシュートを開き、
さらに、そのメイン・パラシュートを展開して、ゆっくりと降下、
打ち上げから1分39秒後に大西洋上に着水しています。

今回の試験は、“ドラゴン”に装備された打ち上げ中断システムが、
設計通り機能するかを試験するためのもの。

打ち上げ中断システムは、宇宙船を載せたロケットが、
発射台の上で爆発しそうになったり、飛行中にエンジンが止まるなど、
といった問題が発生した際に、宇宙船をロケットから分離することで、
搭乗している宇宙飛行士の命を守る役割を持っています。

アポロ宇宙船やソユーズ宇宙船の打ち上げ中断システムは、
塔のような形をしていて、宇宙船の先端に装備されています。

でも“ドラゴン2”では、
宇宙船自体に装備された“スーパードレイコー”と呼ばれる、
スラスターを使うんですねー

“スーパードレイコー”の推進剤は、モノメチルヒドラジンと四酸化二窒素。

“ドラゴン2”の側面に、2基を1セットとした計8基が装備され、
2秒で100メートル、5秒で500メートルもの距離を飛行することが可能です。

また、脱出時だけでなく、宇宙線が陸上へ着陸する際の噴射でも用いられます。


今回の試験での最大速度は時速約555キロ、最大到達高度は1187メートル、
パラシュート展開時の高度は970メートル。

速度と高度は、予定より若干小さかったのですが、
これはスラスターのうち2基1セットの推進剤の混合比率で異常が起き、
予定より低い性能しか出なかったため。

ただ脱出の際には、8基中4基のエンジンが稼働すれば十分とのこと。
なので、今回の試験は成功ということになるそうです。

試験に用いられた“ドラゴン2”には、
270個近い数のセンサーや、
自動車の衝突試験などでおなじみのダミー人形などが搭載されていて、
今後得られたデータが分析され、さらなる開発に役立てられます。

スペースX社では、この夏に、
飛行中のファルコン9ロケットから“ドラゴン2”を脱出させる試験を、
実施する予定。

これが順調に進めば、
2016年12月には、無人の“ドラゴン2”宇宙船を地球周回軌道に打ち上げる試験、
そして2017年にも有人飛行を実施するそうですよ。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿