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モバライダー mobarider

無人補給船が大気圏再突入でバラバラになる様子

2014年08月29日 | 宇宙 space
ATV-5(ジョルジュ・ルメートル)
国際宇宙ステーションに物資を届けた、
ヨーロッパ宇宙機関の無人補給船
“ATV-5(ジョルジュ・ルメートル)”。

この後、約6か月係留され、
国際宇宙ステーションで発生した廃棄物を積み込み、地球の大気圏に再突入して、ミッションを完了することになります。

ただ今回は、大気圏に再突入してバラバラに燃え尽きる様子を、リアルタイムで撮影・送信するんですねー

大気圏再突入時に使われるのは“ATV破壊カメラ”といい、
赤外線カメラと衛星通信カプセルの2つで構成されています。

衛星通信カプセルは、
航空機に搭載されるフライトレコーダーのようなもので、
ATVがバラバラになる様子をデータレコーダーに記録し、
イリジウム通信衛星を経由して送信することになります。

同じようなカメラは、
日本の無人補給船“こうのとり”にも搭載されていて、
2012年から“こうのとり”が再突入して燃え尽きていく様子を、
内部から撮影しデータを蓄積しているんですねー

“ATV破壊カメラ”の場合、
衛星通信カプセルは、1500度の高熱に耐えれるのが特長で、
高度やカプセルの姿勢(向き)に関わらず、
データを送信することができます。
大気圏に再突入するATV(イメージ図)

大気圏再突入に伴う船体の崩壊は、高度80~70キロ付近で起き、
衛星通信カプセルは、秒速6~7キロの高速で落下することになります。

宇宙機が大気圏に再突入する際には、
帯電したガスが機体からガスバーナーのように炎を吹き上げ、
“ブラックアウト効果”と呼ばれる状態が起きます。

この状態を克服するために“ATV破壊カメラ”では、
カメラと通信システムを、分離した構造にしているんですねー

赤外線カメラは“ATV”の船体に取り付けられ、
船体と共に燃え尽きます。

一方で、セラミック製の耐熱材で覆われた衛星通信カプセルは、
カメラから受信した映像を“ATV”船体が崩壊している最中から、
リアルタイムでイリジウム衛星にデータ送信します。

専用のアンテナを備えた衛星通信カプセルにより、
大気圏再突入の「最後の20秒間」が記録できると期待されているんですねー


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