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ATV-5(ジョルジュ・ルメートル) |
ヨーロッパ宇宙機関の無人補給船
“ATV-5(ジョルジュ・ルメートル)”。
この後、約6か月係留され、
国際宇宙ステーションで発生した廃棄物を積み込み、地球の大気圏に再突入して、ミッションを完了することになります。
ただ今回は、大気圏に再突入してバラバラに燃え尽きる様子を、リアルタイムで撮影・送信するんですねー
大気圏再突入時に使われるのは“ATV破壊カメラ”といい、
赤外線カメラと衛星通信カプセルの2つで構成されています。
衛星通信カプセルは、
航空機に搭載されるフライトレコーダーのようなもので、
ATVがバラバラになる様子をデータレコーダーに記録し、
イリジウム通信衛星を経由して送信することになります。
同じようなカメラは、
日本の無人補給船“こうのとり”にも搭載されていて、
2012年から“こうのとり”が再突入して燃え尽きていく様子を、
内部から撮影しデータを蓄積しているんですねー
“ATV破壊カメラ”の場合、
衛星通信カプセルは、1500度の高熱に耐えれるのが特長で、
高度やカプセルの姿勢(向き)に関わらず、
データを送信することができます。
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大気圏に再突入するATV(イメージ図) |
大気圏再突入に伴う船体の崩壊は、高度80~70キロ付近で起き、
衛星通信カプセルは、秒速6~7キロの高速で落下することになります。
宇宙機が大気圏に再突入する際には、
帯電したガスが機体からガスバーナーのように炎を吹き上げ、
“ブラックアウト効果”と呼ばれる状態が起きます。
この状態を克服するために“ATV破壊カメラ”では、
カメラと通信システムを、分離した構造にしているんですねー
赤外線カメラは“ATV”の船体に取り付けられ、
船体と共に燃え尽きます。
一方で、セラミック製の耐熱材で覆われた衛星通信カプセルは、
カメラから受信した映像を“ATV”船体が崩壊している最中から、
リアルタイムでイリジウム衛星にデータ送信します。
専用のアンテナを備えた衛星通信カプセルにより、
大気圏再突入の「最後の20秒間」が記録できると期待されているんですねー
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