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なんで今さら? NASAがスペースシャトルのエンジン燃焼試験を実施。

2015年01月19日 | スペースシャトル ~ SLS, オリオン
1月9日、ミシシッピ州にあるステニス宇宙センターで、
開発中の超大型ロケット“スペース・ローンチ・システム”の第1段ロケットに採用される予定の、
RS-25ロケットエンジンの燃焼試験が実施されました。

実はこのRS-25は、
かつてはスペースシャトルのメインエンジンとして使われていたんですねー
エンジンは液体水素と液体酸素を推進剤としていて、
A-1と呼ばれる試験台に取り付けられ、約500秒にわたって燃焼し無事に完了。

ただ、スペースシャトルとスペース・ローンチ・システムでは、
作動環境に大きな違いがあります。

例えば、スペースシャトルはRS-25を3基並べて装着していたのですが、
スペース・ローンチ・システムでは4基並べることになるので、
それぞれのノズルが受ける温度は高くなります。

また、加速が大きくなるので、
推進剤がエンジンに流れ込む際の圧力も、スペースシャトルに比べて高くなり、
さらにエンジンに流れ込む液体酸素の温度も、より低くなっています。

今回試験されたRS-25は、こうした変化に合わせた改修が施されたものなんですねー

スペースシャトル計画の下で、RS-25の燃焼試験が行われたのは2009年が最後で、
今回はそれ以来初の燃焼試験になります。

スペース・ローンチ・システムは、NASAとボーイング社によって開発が進められているロケットで、
完成すれば歴史上最も強力な打ち上げ能力を持つロケットになります。

ロケットは打ち上げ能力70トンの構成と、130トンの構成の、大きく2種類が開発される予定。

まず最初に開発されるのは70トン構成の機体で、
大型の無人探査機を火星や小惑星に送ったり、宇宙飛行士を乗せたオリオン宇宙船を、
地球低軌道や月、地球近傍小惑星に送り込むことが可能になります。

そして2030年頃には130トン構成の機体が完成する予定です。

実現すれば史上最大の打ち上げ能力を持つロケットになり、
いよいよ火星や小惑星への有人着陸が視野に入るんですねー


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