徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

2007年最終戦 そして次のステージへ

2007-12-23 01:41:31 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
健太「ホントにこの大会はタイトルを取るということを言ってですね、臨んだ大会であったという風に思います(ので)、非常に悔しいし残念です」

西澤「今監督も言ってたけどやっぱタイトルをね、拘るっていうことを言ってたんで、まあこういうゲームも拾ってかなきゃいけないだろうし、そういう意味ではまあ来季に向けて良い課題になったと思います」

原「もうホントメチャメチャ悔しいし、まあ先に俺が決めてればそれで終わった試合だったし、そう思うとホント悔やみ切れないなと思いますね」

岩下「ホントこういう良い相手と良い経験ができたことは、まあホント健太さんも言った通り来年にね、つながるゲームをしようっていうのは言われてたんで、まあホントにしっかりまた来年も準備してやりたいなと思います」(以上Sの極み 12月22日付け)

BSで天皇杯準々決勝ガンバ大阪戦。
移籍濃厚のJJに加え、フェルも早々と離日してしまい国産だけのベーシックなスタメンだったが、ガンバ相手に一歩も引くことなく戦い切った印象が強い。四つに組みやすいガンバ戦だけにポジティブな意味で我慢比べになってしまうのは予想できたが、それでも焦れずに“普通”に戦えたことは今季の成長をある程度証明できたと言える。ほとんどホームの長居開催で、藤ヶ谷(磐田東出身)の大当たりがあって、ガンバゴールにポスト神が降臨して、審判があれほどアドバンテージを取った中で、である。ディテールにこだわれば不満もあるが、起こってしまったものは仕方がない。仕方がないと思えるのはガンバ相手だからだ。これが愛媛やホンダ相手ならばこうはいかない。

一方、鹿島相手に延長まで粘りきったホンダの戦いは賞賛に値するが、しかし今後天皇杯はACL出場権を賭けて戦うのならば、“中立地”のファイナルは別として、セミファイナルまでホーム&アウエイの戦いを視野に入れるべきなんじゃないだろうか。“アマ”の“ジャイアント・キリング”はNHK的には面白いのかもしれないけれども、その賭けの代償としてのACL出場権は重過ぎる。

和道の怪我による途中交代で入った岩下の冷静なプレーぶりには、最終戦とは言えちょっと驚き、そして嬉しかった。同世代のライバルであった平岡の札幌へのレンタル移籍が彼にも影響しているのだろうか。今季最も成長したひとりだといえる。
そして不遇の時代に希望の星であり続けた浩太もまたレンタル移籍でひとまずチームを去る。彼は清水ではその希望の片鱗を覗かせただけに止まってしまったけれども、きっと柏で成長して戻ってくることをオレは願っている。

<堀池は「健太にだけは失敗させられない」と先行きを懸念したという>(元川悦子「“SHIZUOKA”の逆襲 サッカー王国“静岡”、その歴史と未来に迫る」/『J'sサッカー vol.1』より)

こうして人は去り、人は成長し健太エスパルスの「REVIVE(復活)」の3年間は終わる。もともと3年契約だった健太にとって、果たしてこの3年間は計画通りだったのだろうか。もちろん彼も3年で「RESPECT(尊敬)」までたどり着くとは思っていなかっただろうが、幸いにも堀池が危惧したような失敗には見舞われず、健太エスパルスはチームとして概ね順調に成長してきた。確かに観ているだけでも、非常に濃厚な3年間だった。どこかのクラブのように、リスキーで強力な“外国人FWドーピング”の真似はせず、彼はひとつひとつ積み上げるようにチームを作り、そのたびにサポーター、ファンにメッセージしてきた。
次は誰がどう見たって「REJOICE(歓喜)」のステージに移るべきだ。
それでももちろん健太はまた積み上げ続け、プレーヤーは成長し続けるだろう。

まったく何の不安もない。揺らぐことはない。
まさにTo be a rock and not to rollなのである。

で、20点FWマダー?