徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

予測その1/エスパルスニュース2008年3月号

2008-03-01 14:55:06 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス06~10
エスパルスニュース2008年3月号と2008シーズンのイヤーブック到着。これで準備万端、いよいよリーグ開幕まで1週間。

誰が何と言おうと、今や清水の選手層はリーグでもトップクラスだ。「獲って獲って獲りまくる」補強方針、苛烈な競争とフィジカルトレーニング、毎年のように手を加え続けたフォーメーションなど、これから伺えるのは間違いなくリーグ制覇からACL挑戦を見据えたタイムテーブルだと確信していたけれども、エスパルスニュースとイヤーブックに掲載されたインタビューからも、健太自身が〈当然だが)そのヴィジョンを明確に持っていることを確認できた。
健太体制の残り時間を考えて、それまでに到達し得る最高の「極」を想像すれば、今年はもはや優勝以外に目標はない。本当の目標はまだ先にあるのだから、そのためのチャンスを確実に掴み取って欲しいところだ。ということで、今季の予想。

◎清水エスパルス
○ガンバ大阪
▲浦和レッズ
△鹿島アントラーズ
△川崎フロンターレ

ここまでは確定。あとはわかりません。
健太自身は混戦を予想しているが、実際昨季4位の清水以下のクラブについては、スケジュール的なアドバンテージが見込める川崎以外に上位との勝ち点差を詰められるほどの可能性はないと感じている。昨年、一昨年とリーグ終盤の“総力戦”の苛烈さを嫌というほど味わった清水からすれば、例えば現在上位争いに名前が挙げられている神戸のようにスタメン級でいくら有望な戦力を揃えてきたクラブても字面通りには受け取れない。ノックアウトのトーナメントならばともかく、これは長いリーグを総力戦で戦い抜けるチームの体力の問題なのだ(となると鹿島、川崎には不安要素が多い)。

ライターの前島芳雄さんは今月のエスパルスニュースの中で、<3Rのうち、「リバイブ(復活)」と「リペクト(尊敬)」はかなり形になってきた。>と書いているが、それはちょっと違う。以前から書いているように、リジョイスはリバイブの上に成り立っているもので、またリジョイスがなければリスペクトもない。リジョイスなきリスペクトなどないのだ。それはサッカー「ジャーナリスト」たちの不当なほどの低評価を見れば明らかだ。ちなみにエルゴラッソ2月29日付の編集部員の「予想」を見てみよう。

本紙・寺嶋朋也
1位鹿島/2位川崎/3位G大阪/4位神戸/5位浦和/6位新潟/7位清水
本紙・山川高広
1位川崎/2位浦和/3位G大阪/4位鹿島/5位神戸/6位清水
本紙・郡司 聡
1位G大阪/2位浦和/3位鹿島/4位新潟/5位川崎/6位清水
本紙・泰良和彦
1位川崎/2位浦和/3位G大阪/4位鹿島/5位神戸/6位京都/7位清水

これはもうまったくお話にならないですね。
浦和にしてもガンバにしても字面だけの「補強」で上位に定着しているわけではない。蓄積されたチームスタイルが新しい才能を吸収して、文字通り「補強」しているのだ。それはこれまで3年をかけてほとんど一からチームを構築してきた清水においても同じことだ。で、根拠は一体何なんだ?
さらにエルゴラッソ本紙の寺嶋氏は<エルゴラッソ的08年の「遠望」>と題したコラムで、それぞれのチームの格付けを行なっている。「強固なセンターラインが確立されているかどうか」という評価軸だけで、昨年の上位陣から清水のみBクラス評価だ。本文中には一応保険も打っているようだが、「ジャーナリスト」ならばそういう姑息なことはしない方がいい。
「リスペクト」というのは、こういうつまらない、偏狭な主観を乗り越えたときに与えられるべき賞賛だ。
<現実的にはまずナビスコカップ狙い>という冷静を装った予防線張りまくりの意見もあるが、始まる前からそんなこと言ってちゃ駄目なんである。

将来のエスパルス像について健太は「僕個人の中ではいろいろな想いはありますけれど、まだ話す時期ではないでしょうね。」と語る。この健太の想いとは如何に。まあ就任初年度、プレーヤー、サポーターに強烈にエスパルス愛を求めた健太のことだから、リバイブして、リジョイスすることでリスペクトされれば、おのずと答えは見えてくると思うけれども。