“For the kingdom of heaven is like a man traveling to a far country,
who called his own servants and delivered his goods to them.
And to one he gave five talents,
to another two,and to another one,
to each according to his own ability; and immediately he went on a journey.
(Matthew 25:14-15, NKJV)
ニュースメモ。
王座奪回となるかどうかの試合に立ち向かうだけでなく、息子さんにこんなお手紙を書いておいたのは(試合後? 試合前? 前だとしたら、さらに)凄いなぁ。(そして、talentsの話が、日刊スポーツに載っていた…というのも、なかなかオモシロい)
<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>
◇12日◇エディオンアリーナ大阪
WBA世界ミドル級王座を奪回した村田諒太(33=帝拳)が初めて長男晴道くん(8)を自らの試合に招待した。
アマチュア時代の11年5月に愛息が生まれると、同年10月の世界選手権で初めて銀メダルを獲得。長男の成長とともにオリンピック(五輪)金メダル、プロでの世界王者と快挙を成し遂げてきた。・・・
<村田が送った手紙>
晴道へ
試合会場で初めてパパのボクシングを観戦して、どうだったかな?
また感想を聞かせてね。
最近、パパとよく会話するようになってきたよね。少し前に話したと思うけれど、新約聖書の話で「タラントのたとえ」の話は覚えているかな?
ある主人が、しもべたちの能力に応じて1人に5タラント、もう1人に2タラント、さらに3人目に1タラントのお金を託して、旅に出掛けた話だよ。
5タラントを受け取った者は、それを元手に一生懸命に商売して、さらに5タラントを増やした。
2タラントを受け取った者も、頑張って商売に力を入れ、さらに2タラントを増やした。
でも、1タラントを受け取った者は、失うことが怖くて地面を掘って1タラントを隠してしまった。一生懸命に働いて増やそうとしなかったんだね。
旅から戻ってきた主人はタラントを2倍にした2人を「忠実なしもべだ」とほめたたえた。
でも、1タラントを活用しなかった者には「お前はなまけ者だ」とタラントを取り上げて、10タラントまで増やした者に託してしまった。
神さまは与えられた「賜物」をそれぞれどのように使うのかを見ている という話だったよね。
タラントは、持って生まれた人の能力のことだと思うよ。
晴道の爺には優しさのタラントがあるよね。
やっぱりパパはボクシングになるかな。
晴道のタラントは何だろう?
パパは今日、タラントをたくさん使ったと思う。これからもボクシングを頑張るから、これから晴道も自分のタラントを見つけていこうよ。
ずっと見守っているから。
パパより
◇ ◇ ◇
◆村田諒太(むらた・りょうた)1986年(昭61)1月12日、奈良市生まれ。伏見中1年で競技開始。南京都高(現京都広学館高)で高校5冠。東洋大で04年全日本選手権ミドル級で優勝など。11年世界選手権銀メダル、12年ロンドン五輪で日本人48年ぶりの金メダルを獲得。13年8月にプロデビューし、17年10月、WBA世界ミドル級王座を獲得し、日本人で初めて五輪金メダリストがプロ世界王者になった。家族は佳子夫人と1男1女。183センチの右ファイター。
『天の御国(みくに)は、しもべたちを呼んで、自分の財産を預け、
旅に出て行く人のようです。
彼は、おのおのその能力に応じて、ひとりには5タラント、ひとりには2タラント、もうひとりには1タラントを渡し、
それから旅に出た。…』
(新約聖書・マタイの福音書25章14~30節)