ふ~~ん。
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うがいが術後感染予防に有効
~心臓手術前後の0.12%クロルヘキシジン溶液によるうがいは院内感染を減らす~
院内感染を引き起こす主な原因の一つが、患者自身の鼻粘膜などに定着している病原菌だ。オランダ・アムステルダム大学のPatrique Segers氏らは、心臓手術を受ける患者に対し、周術期にグルコン酸クロルヘキシジンで咽頭鼻部と咽頭口部の殺菌を行うと、術後の院内感染のほか、下気道感染、深在性の手術部位感染も有意に減少することを明らかにした。
<対象>待機的心臓手術を受けた18歳以上の患者954人
<方法>・二重盲検による前向きの無作為化比較試験の実施
介入群は、これまでに安全性と有効性が示されている濃度の0.12%クロルヘキシジンを、
偽薬群は、偽薬を
含むうがい液を用いた口腔咽頭洗浄(10mLで30秒間うがいを1日4回)と、鼻軟膏の塗布(両鼻孔に1日4回)を自身で実施。本人が行えない場合には看護師が手助けする。
殺菌は、入院直後(平均は手術の1.9日前)から、経鼻胃管の抜管(通常は手術の翌日)まで継続。
<期間>2003年8月~2005年9月
<評価指標>主要アウトカム評価指標:院内感染の発生率。
2次アウトカム評価指標:下気道感染と手術部位感染の頻度、予防的ではない抗菌薬の使用、黄色ブドウ球菌の鼻腔保菌率、入院期間、院内死亡率、副作用。
<結果>
1.院内感染の発生率は、クロルヘキシジン群19.8%(485人中96人)に対して偽薬群26.2%(469人中116人)で、介入群は有意に低かった(P=0.002)。
クロルヘキシジンにより院内感染を1件防ぐために治療する必要がある人数(NNT:治療必要人数)は16人だった。
2.クロルヘキシジン群では、下気道感染(9.3%対15.8%、P=0.002)と深在性の手術部位感染(1.9%対5.1%、P=0.002)も有意に少なかった。非予防的な抗菌薬投与を受ける頻度は偽薬群の方が高かった(13.6%対21.5%、P=0.02)。
3.メチシリン感受性の黄色ブドウ球菌の鼻腔保菌率は、登録時には全体の33.7%(321人)。メチシリン耐性菌が検出されたのは0.2%(2人)のみ。手術の時点での鼻腔保菌率は、クロルヘキシジン群で57.5%減少した(P<0.001)。偽薬群でも30.7%から24.5%に減少したが、差は非有意だった。
4.クロルヘキシジン群で副作用が見られたのは1人(0.2%)のみで、一過性の歯の軽い変色だった。
5.院内感染があった患者の入院期間は有意に長かった(15.2日対8.3日、P<0.001)。クロルヘキシジン群の入院期間は9.5日で偽薬群の10.3日により有意に短く(P=0.04)、院内感染率の低下に基づく差と考えられた。院内死亡率は全体で1.5%で、両群間に有意差はなかった。
著者らは、クロルヘキシジン治療は、術前1日を含む計2日程度で十分と考えている。これを基に計算すると、NNTが16、1日のコストが7.20ドルなので、1人の患者の院内感染を予防するためのコストは230ドルと安価だ。したがって、心臓手術の周術期には、安全で安価なこの方法の適用を考慮すべきだ、と結んでいる。
原題は「Prevention of Nosocomial Infection in Cardiac Surgery by Decontamination of the Nasopharynx and Oropharynx With Chlorhexidine Gluconate: A Randomized Controlled Trial」
(日経メディカルより)
結果5の「院内感染したほうが入院期間長い」というのは当たり前のような気がするが・・・
そもそも
クロルヘキシジンとはナンだっけ?
グルコン酸クロルヘキシジン・・・商品名ヒビテン、マスキン。普段、皮膚の消毒で使っているヤツだ。グラム陽性菌・陰性菌、酵母真菌に有効。
口腔洗浄というと、ポピドンヨード(商品名イソジン)しか頭に浮かばないのだが、どうも、クロル…も使用して良い様子。あれ? 手持ちの資料では、グルコン酸クロルヘキシジンは「口腔粘膜→適応外」となっている。
そもそもコスト計算やらNNTのところの話がよくわかっていない。が、結局、「クロルヘキシジンでうがいをしたほうが、感染率が低くなり、経済的にも良い」ってことらしい。
□紅茶で心臓病予防、ミルク入れると効果なし…独の研究(読売新聞)
飲む前と2時間後に、腕の動脈を超音波で調べ、血管の弾力性を示す指標「FMD」を計測。FMDは、血管内皮の機能を反映し、低い数値は心臓病の兆候につながる。実験の結果、ミルクなしの紅茶を飲んだ後は約4・3%向上したが、ミルク入りだとほとんど変化がなかった、とのこと。
その紅茶効果は飲んだあと、何時間ほど続くんだろう~?などと思うが、情報なし。
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今日、読んだ箇所から
イスラエル 1)の王エラの子ホセアの第3年に、ユダ 2)の王アハズの子ヒゼキヤ 3)が王となった。
彼は25歳で王となり、エルサレムで29年間、王であった。・・・
彼はすべて父祖ダビデが行ったとおりに、主(しゅ)の目にかなうことを行った。
彼は高き所 4)を取り除き、石の柱 5)を打ちこわし、アシェラ像 5)を切り倒し、モーセの作った青銅の蛇(へび) 6)を打ち砕(くだ)いた。そのころまでイスラエル人は、これに香(こう)をたいていた 7)からである。これはネフシュタンと呼ばれていた。
彼はイスラエルの神、主に信頼していた。彼のあとにも彼の先にも、ユダの王たちの中で、彼ほどの者はだれもいなかった。
(旧約聖書・列王記Ⅱ 18:1-5)
【注】
1)イスラエル:イスラエルが、北王国(イスラエル)と南王国(ユダ)とに分かれたうちの、北王国。首都サマリヤ。
2)ユダ:南王国。首都エルサレム。
3)ヒゼキヤ:
4)高き所:もともとは、他の神々を礼拝する場所であった。その後、民は、その場所を「主」を礼拝する場所とする。
ここを取り壊さなかった点について、王たちは「主の目にかなっていいなかった」。とっても良い王様であっても
ヒゼキヤが王となるまでは。
5)石の柱、アシェラ像:偶像崇拝の対象の一部。
ちなみに、偶像崇拝は、神様(「主」とか昔なら「エホバ」とか)のお嫌いなことの一つ。
6)青銅の蛇:イスラエル人が、荒野(砂漠デス)を旅している途中、神様の怒りにふれて、毒蛇によって、死に至る罰が与えられたことがあった。このとき、神様がモーセに命じて青銅で蛇を作らせ、これを見るものは治るようにされた。
この奇跡で用いられただけの青銅の蛇が、後に、偶像崇拝の対象となってしまった。
7)香をたく:礼拝するということ。