mugifumi日誌

海外旅行の体験のほか園芸、料理などの生活雑感を思いつくままに綴っています。

薬になる野菜:海草類

2010年03月20日 | 本と雑誌

 昨日に引き続き、石原先生の「「医者いらず」の食物事典」から今日は「海草類」についてお伝えします。

 先生は、海草類について野菜と比較する形で次のように絶賛しています。

 「海草類は、褐藻類(コンブ、ワカメ、ヒジキ、モズク)と紅藻類(浅草ノリ、テングサ)、緑藻類(青ノリ)の三つに大別されますが、ワカメ、コンブ、ノリの三つで、日本の全海草の生産量の九〇%を占めます。また、海草は野菜と同じく、クロロフィル(葉緑素)を有し、光合成により生育するので、栄養成分はよく似ていますが、総合的な栄養価、健康に資する効力とも海草の方がずっと上です。」

 いやはや驚きました。それしても、この本を読んだためではないのに、かみさんは最近、「ワカメが身体によい」とどこからか聞いてきて、デパートの北海道店で、ワカメや昆布を大量に仕入れてきました。

 小生としては、昆布を細長く切って加工したもの(ぬるぬるとした食感、何という名前?)を毎日食べさせられて、やや、食傷ぎみですが、この本を読みますと、仕方がありませんね。

 それにしても、海草の方が野菜より栄養価が高い、というのは驚きですね。畑を耕している小生としては、チョッピリ残念な気持です。

 さて、その栄養素ですが、先生は、次のように述べています。

 「海草には、たんぱく質は平均して一〇%前後含まれていますが、中でもノリには、何と四〇%近くも含まれています。海草の旨味のもとであるアミノ酸としては、グルタミン酸(コンブ、浅草ノリ)、アスパラギン酸(コンブ、浅草ノリ)、アラニン(ワカメ)などの含有がよく知られており、昆布に含まれるラミニンには降圧作用もあります。他に、カイニン酸やドウモイ酸などのアミノ酸には駆虫作用もあります。また、ノリにはタウリンが含まれていて降圧、強心、強肝、抗血栓、抗コレステロールなどの作用を発揮します。」

 ノリのたんぱく質含有量が四〇%というのは凄いですね。それにしても、いろんなアミノ酸が含まれているものですね。アラニンだとかラミニン、カイニン酸、ドウモイ酸などという言葉を聞いたことがありませんでしたが、人間の身体に良いものばかりなのですね。

 それにしても、ノリは、大したもので栄養満点ですね。

 小生は、以前、「浅草のり」をお酒と醤油で煮詰めて「海苔の佃煮」にすることを皆さんに紹介したことがありますが、是非、試してみてください。(2008年11月16日の記事ですが、「食・レシピ」のカテゴリーをクリックしていただくと、すぐに出ますのでご覧ください。)

 さて、先生の解説は、まだまだ続きます。たんぱく質の次は「脂質と炭水化物」です。

 「海草の脂質は、陸上植物と違ってEPAなどの魚介類に含まれる高度不飽和脂肪酸から成っているので、降圧、抗コレステロール、抗血栓などの作用を発揮します。炭水化物は五〇%含まれ、大部分が非消化性の、いわゆる食物繊維で、整腸作用、コレステロール・脂肪・糖・発ガン物質の除去・排泄作用を有します。特に褐藻類のフコイダンは、ヘバリンと同じく抗血栓作用を有し、さらに免疫力を高めて制ガン効果を発揮します。

 ワカメ、コンブ、ノリを水につけるとぬめりが出ますが、これは多糖類のアルギン酸の作用で、コレステロール低下、降圧、塩分や食品添加物の排泄などの作用を有しています。」

 いかかですか?この説明を聞いていますと、皆さんも今日から海草を食べたくなったでしょう!EPAなどの高度不飽和脂肪酸と食物繊維の有害物質排泄作用の話は、またまた驚きですよね。

 ところで、「フコイダン」と「ヘバリン」とは何でしょうか?

 フコインダンとは、ワカメなどの「ぬめり」のことのようですので、小生がいやがっていた?「ぬめり」が大切なんですね。

 また、ヘバリンとは、牛や豚の腸粘膜から採取される抗凝固剤だそうですが、動物由来のものです。

 さて、次に海草類の「ビタミン類について」ですが、これについては、次回レポートしたいと思います。

 本日はこれにて失礼します。