自民党の総裁選が行われました。
結果は事前に想定されていたとおりで、まあ別に自民党員でもない私には直接関係のない話なんですが……今回の総裁選では、突然“薩長同盟”という言葉がクローズアップされたりもしてましたね。
大河ドラマにひっかけてということなんでしょうが、安倍総理が鹿児島で薩長同盟という言葉を使いました。そこで引用した歌がピントはずれじゃないかというツッコミも入ってるわけですが。
どうも私は、“薩長同盟”という言葉にあまりいい印象を持ってません。
というか、それ以前に、私は明治維新というものをあまり偉業だという風には思っていないほうの人間です。
尊王攘夷派は、外国人出て行けという思想の持ち主のはずなのに、イギリスと手を組んでるわけです。
当初の目的とはまったく正反対のことをして、いつの間にか倒幕が目的みたいになってしまってます。見ようによっては、本末転倒なんです。(もっとも、近年の研究によれば、薩長同盟というのは必ずしも軍事同盟ではないという見方もあるようですが)
まあ、たいてい革命なんてのはそんなものでしょうが……それよりも問題だと思うのは、薩長同盟というのが、後の藩閥政府につながっているということですね。
維新後、薩長閥が力を持つようになり、その状態は、少なくとも明治の間ずっと続いていました。
ごく一部の人間だけが意思決定に関与していて、議会を導入してもそれは形ばかりのものでしかないという体制が作られました。そして、私が思うところ、それによって醸成された政治風土は、現代にいたるまで日本に根をはりつづけています。
それはすなわち、“中心”とその“対抗勢力”という構図があって、多極性がないという状態です。野党は一応存在するけれど、政権交代が起きる可能性は実質的にゼロ。“選択”は事実上できないため、結果として有権者は能動的に政治に関与することがなく、政治のことは政治に携わる一部の人たちにおまかせになってしまう……
これを日本は相克しなければいけないと思うんですね。
今回の自民党総裁選でも、結局見えたのは、自民党の内部にも「中心と対抗勢力」の構図が根強くあるということでしょう。
小選挙区制の導入が党内の中央集権体制を強化していることは以前から指摘されているところですが、小選挙区制導入から20余年が経ち、その効力も極まってきたというわけです。これは非常に危なっかしい状態だと思いますね。
結果は事前に想定されていたとおりで、まあ別に自民党員でもない私には直接関係のない話なんですが……今回の総裁選では、突然“薩長同盟”という言葉がクローズアップされたりもしてましたね。
大河ドラマにひっかけてということなんでしょうが、安倍総理が鹿児島で薩長同盟という言葉を使いました。そこで引用した歌がピントはずれじゃないかというツッコミも入ってるわけですが。
どうも私は、“薩長同盟”という言葉にあまりいい印象を持ってません。
というか、それ以前に、私は明治維新というものをあまり偉業だという風には思っていないほうの人間です。
尊王攘夷派は、外国人出て行けという思想の持ち主のはずなのに、イギリスと手を組んでるわけです。
当初の目的とはまったく正反対のことをして、いつの間にか倒幕が目的みたいになってしまってます。見ようによっては、本末転倒なんです。(もっとも、近年の研究によれば、薩長同盟というのは必ずしも軍事同盟ではないという見方もあるようですが)
まあ、たいてい革命なんてのはそんなものでしょうが……それよりも問題だと思うのは、薩長同盟というのが、後の藩閥政府につながっているということですね。
維新後、薩長閥が力を持つようになり、その状態は、少なくとも明治の間ずっと続いていました。
ごく一部の人間だけが意思決定に関与していて、議会を導入してもそれは形ばかりのものでしかないという体制が作られました。そして、私が思うところ、それによって醸成された政治風土は、現代にいたるまで日本に根をはりつづけています。
それはすなわち、“中心”とその“対抗勢力”という構図があって、多極性がないという状態です。野党は一応存在するけれど、政権交代が起きる可能性は実質的にゼロ。“選択”は事実上できないため、結果として有権者は能動的に政治に関与することがなく、政治のことは政治に携わる一部の人たちにおまかせになってしまう……
これを日本は相克しなければいけないと思うんですね。
今回の自民党総裁選でも、結局見えたのは、自民党の内部にも「中心と対抗勢力」の構図が根強くあるということでしょう。
小選挙区制の導入が党内の中央集権体制を強化していることは以前から指摘されているところですが、小選挙区制導入から20余年が経ち、その効力も極まってきたというわけです。これは非常に危なっかしい状態だと思いますね。