ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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令和について

2019-04-03 17:23:57 | 日記
前回書いた「令和」という元号についてですが……

国書からとられた初の元号という触れ込みでしたが、じつはそのもとになった歌自体、中国の漢詩がオリジナルではないかという話が出てきています。
具体的な出典も示されていて、どうやらこれは確かな話のようです。

これです。
私が前回の記事でいいたかったのは、まさにこういうことなんです。

「これが日本独自の美だ!」みたいなことをいってたら、じつは海外のものを下敷きにしていたという……

重ねていいますが、日本の文化はそういうものでしょう。

仮名文字が漢字をベースにしてできているように、文字で書かれたコンテンツもまた、漢詩をベースにしている部分が大きいのです。それは、現代の日本文化が西洋文化の影響を強く受けているのと同じことでしょう。

そしてそれは、文化だけにとどまりません。

日本がその歴史の中で大陸から受けた影響は、法制度や宗教、都市のあり方など多方面に及んでいます。

かの聖徳太子がつくった(とされる)十七条憲法も、十七条あるうちの十六までは、漢籍にその典拠を見出すことができるといいます。
唯一日本オリジナルといえるのが、第一条の「和を以て貴しとなす」というところなんだそうで、ああなんだかなあ、という気持ちにさせられますが……

それにしても、「平成」の元号が発表されたときとは、時代がかなり変わったと感じさせられました。

発表当日に「れいわ」とパソコンに打ち込んだら、もう「令和」ときちんと変換される手際のよさ。
そして、発表当日のうちに「じつは中国の詞をもとにしているらしい」という情報がツイッターにあがってくるという……この元号を提示した人たちがそのことを知らなかったのか、知ってて伏せていたのかはわかりませんが、知っていて「どうせわからないだろう」とたかをくくっていたのだとしたら、オンライン時代を甘く見すぎでしょう。
いかな専門家といったところで、何百万、何千万という人たちの集合知を相手にしては、へたなごまかしは通用しません。
もし、そういうわきの甘さでやってるとしたら、最近よくあるぐだぐだパターンに陥る可能性もあるでしょう。
実際に「令和」になるまでにはまだ一か月ぐらいあるわけですが、その一か月の間にいろんな問題点が次々に発覚して、「本当にこの元号ずっと使い続けるのか」みたいなしらけた空気が漂うという……そんなことになってしまわないかと、ちょっと心配してしまいます。