ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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戦争の夢

2019-08-15 16:06:01 | 時事
今日は8月15日。
終戦の日です。
74年目――太平洋戦争も、だいぶ遠い過去のことになりつつあるようで、最近は日本がアメリカと戦争したことを知らない人も少なくないのだとか。
喉元すぎればというやつでしょうか。


私事になりますが、数日前に、戦争に行かされる夢をみました。

場所はどこだかわかりませんが、3人ぐらいの仲間と一緒に、銃をもって敵地に乗り込んでいるんです。

なんで戦場なんかに送られてきたんだ……と、私は終始理不尽の感にとらわれていました。
そして、敵と遭遇し、これはやばいぞという状況になったら、さっさと投降しました。
なにせ、死にたくないですからね。
末端の兵士が全員さっさと投降してしまえば、戦闘が成立しなくって戦争なんかなくなるんじゃないかと思いました。
戦争なんて、どうせ一部の人間の利権を守るためにやってることで、そのためにクソまじめに殺し合うことなんかないでしょう。
まあ、そういう戦場でのストライキを起こさせないために、戦争を起こす側は、正義だ自由だという“物語”を用意するわけですが……


しかしどうして戦争に行かされる夢なんか見たのかと考えると、やっぱり時代の空気があるのかと思えました。

心理学者のユングは第一次大戦前に世界が破滅する夢を見ていたそうですが、それもやっぱり、とんでもない戦争が起こりそうな空気を鋭敏な知性がかぎ取っていたということなんでしょう。

ユングと自分を重ね合わせるというのもなんですが……しかし最近、戦争はそんなに遠くにあるものでもなさそうな気がしてます。

「21世紀には戦争が起きるぜ」と忌野清志郎はいいましたが、そうなのかもしれません。

イラン情勢に関して有志連合云々という話が出てきています。
アメリカとイランが戦争になったら、日本もそこに巻き込まれる――そういうかたちで日本が戦争に関与するのは、想像していたよりもずっとあっさり起きてしまうことなんじゃないか。そんな気がします。
戦争に関与するとなったら、激しい反発が社会に生じるんじゃないかと以前は思ってましたが、どうもいまの状況をみていると、ほとんど抵抗もなく、なんだかするっといってしまいそうに思えるんです。

いまのこの国は、社会的にも経済的にも戦争に耐えられるような強度を持っていないと思うんですが、そういうことを無視して突き進んでしまう大日本帝国的な愚かさを現代日本もだいぶ引きずっているようで……このままいくと、ずいぶんまずい状況が生じるんじゃないかと危惧しています。