ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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『ロッキー』

2021-07-06 21:44:40 | 映画


今回は、映画記事です。

今日7月6日は、シルヴェスター・スタローンの誕生日なんだそうで……
たまたま先日『あしたのジョー』に関する記事を書いたということもあって、ボクサーつながりで『ロッキー』です。

ロッキーのテーマ(Gonna Fly Now)のYouTube動画を。

Gonna Fly Now (Theme From "Rocky")  


あまりにも有名な作品なので、映画の内容自体については詳しく書きませんが……最初に観たとき、『あしたのジョー』でボクシングを学んだ者としては、無名のボクサーであるロッキーが世界チャンピオンになぜ勝てるのかという部分に説得力がないという感想を持ちました。
まあ、『あしたのジョー』でボクシングを学んだ感覚というのもそれはそれでいびつでしょうが、それにしても……という話ではあります。
『あしたのジョー』の場合、ストーリーの核心となる試合において矢吹丈は負けているわけなんです。
『ロッキー』は、モハメド・アリ相手に善戦した無名のボクサーをモデルにしているといいますが、そのもとになったボクサーも、善戦こそすれ勝ってはいません。
ところが、ロッキー・バルボアは勝利します。
これが、ハッピーエンドを否定するアメリカン・ニューシネマの流れを断ち切り、「アメリカン・ドリーム」への憧れを甦らせた――というようなことがいわれてるそうですが、どうも私には、そのアメリカン・ドリームなるものの嘘臭さのほうが強く感じられるのです。
ベトナム戦争が終結した後であり、公開年は1976年で、奇しくもアメリカ建国200年にあたる年。そこでまたぞろ復活したアメリカンドリームという幻想よりも、同じ年に『ホテル・カリフォルニア』でその虚構を告発したイーグルスのほうに私はリアルを感じるのです。
まあ、ロッキーのテーマは名曲ですが。