ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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小椋佳「眦」

2021-07-14 21:26:14 | 音楽批評



今回は、音楽記事です。

このカテゴリーの‟寺山修司ゆかりのアーティスト”シリーズをもう少し継続して、今回取り上げるのは小椋佳さんです。



小椋佳さんといえば、フォーク/ニューミュージックを代表するシンガーの一人。
東大卒でもともとは銀行員をやっていたという異色のミュージシャンとしても知られていますが……そんな彼が寺山修司とつながるのは、デビュー前の活動において。


意外に知られていないことだと思いますが、小椋佳という人がはじめて本格的にレコーディングをしたのは、寺山修司が天井桟敷でやっていた『初恋地獄篇』という劇のサントラなのです。寺山のラジオ番組に出演したのがきっかけとか……このことが、デビューのきっかけにもなっているようです。もっとも、その活動については黒歴史扱いになっているのか、あまり有名ではありませんが。

デビューして以降の活動については、多くを語る必要もないでしょう。
布施明「シクラメンのかほり」や、美空ひばり「愛燦燦」など、他のアーティストへの楽曲提供でも活躍しました。

ここで、動画を一つ。
「眦」(まなじり)という曲です。
比較的最近の作のようですが、いわゆるニューミュージックの雰囲気を色濃く漂わせているように感じられます。

Manajiri


さて、そんな小椋佳さんも今年でデビュー50周年。

2014年には、「生前葬」と銘打ったイベントを敢行しましたが、現在、「余生、もういいかい」というファイナルツアーを予定しています。

このセンス……あるいは、寺山修司に通ずるものがあるかもしれません。

「余生、もういいかい」は、コロナ禍で延期ということになっているようですが、これはもしかしたら、まあだだよ、ということでしょうか。もう少し、地上で歌ってこいと……
先日の記事にもありましたが、ローリングストーンズは50周年を過ぎてもまだやっているわけです。小椋佳さんも、まだまだいけるでしょう。