薩摩剣八郎さんが死去したというニュースがありました。
薩摩さんは、ゴジラの「中の人」。
平成ゴジラシリーズのスーツアクターとして知られています。
第一シリーズでも出演はありましたが、そこではゴジラではなく敵怪獣役として。あの『ゴジラ対ヘドラ』のヘドラ役をつとめ、それ以降の第一期作品で敵怪獣として活躍。84年版『ゴジラ』からはゴジラのスーツアクターとなり、『ゴジラVSデストロイア』にいたるまでの第二シリーズ全作でゴジラ役をつとめました。
第二シリーズというのは私にとってリアルタイムであり、私のなかにあるゴジラ像は薩摩剣八郎さんのアクションに負っていることになります。ミスター・ゴジラとして知られる初代の中島春雄さんとはまた一味違って、人間っぽくない重厚な動き……ゴジラにとって第二の黄金期といえる時代を築いた功労者の一人といえるでしょう。奇しくも、今年はゴジラの新作が発表されたわけですが……時代の移り変わりを象徴しているといえるかもしれません。
薩摩さんにとってゴジラシリーズ最後の出演作となった『ゴジラVSデストロイア』は、ゴジラの死を描いた作品でした。この映画について薩摩さんは、最後まで夢を与えて死んでいくような、死に方にもそんなロマンがほしい、ということをインタビューで語っておられました。まさにそれは、ご本人にもあてはまることかもしれません。ご冥福をお祈りしたいと思います。