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ロバータ・フラック「愛は面影の中に」(Roberta Flack, The First Time Ever I Saw Your Face)

2019-05-10 22:31:15 | 音楽批評
今回は、音楽記事です。

前回、映画『X-MEN フューチャー&パスト』について書きましたが、その映画を観ていて印象に残った曲について書こうと思います。

ロバータ・フラックの「愛は面影の中に」――原題: The First Time Ever I Saw Your Face です。

前にも書いたように『X-MEN フューチャー&パスト』では、ウルヴァリンの意識が過去にタイムスリップするわけですが……過去に戻ったウルヴァリンが目覚めたときに流れているのが、この曲。
タイムスリップで戻った先が1970年代初頭で、ちょうどそのころこの歌が大ヒットしていたということなんです。ロバータ・フラックといえば「やさしく歌って」が有名ですが、この「愛は面影の中に」も、代表曲の一つでしょう。



聞くところによると、NASAの運用する宇宙船には、ウェイクアップコールというものがあるそうです。
宇宙飛行士たちが目を覚ますときに流れるモーニングコールのようなもので、リクエストによって曲が決まるといいます。

以前、そのウェイクアップコールを扱ったテレビのドキュメンタリー番組を見たことがあるんですが、そこでこの歌が紹介されていました。
その番組によれば、人類が宇宙に出て、はじめて宇宙から地球を見た日に、ウェイクアップコールとしてこの曲が流れていたんだそうです。


  はじめて君の顔をみたとき
  思ったんだ 君の瞳に太陽が輝いていると
  そして月と星は贈り物
  この暗く虚ろな空への


まさに、人類がはじめて地球をみた日にふさわしい歌といえるでしょう。
歌詞の中には、the earth という言葉も何度か出てきていて、それもあってこの歌がリクエストされたのだと思われます。
この歌には、ジョージ・マイケルがカバーしたバージョンがあり、実をいうと私は最初にそっちで知りました。そのバージョンでも、神々しいまでに美しい曲になっています。また、私は聞いたことがないんですが、エルヴィス・プレスリーが歌ってるバージョンもあるらしいです。こうして歌い継がれているということは、やはり名曲ということなんでしょう。
ただシンプルに恋を歌う歌が、シンプルであるがゆえに普遍性を持つということがときにあります。
同じくエルヴィスがとりあげた「ラブ・ミー・テンダー」もそうかもしれません。「スタンド・バイ・ミー」もそうかもしれません。
そして、今回の「愛は面影の中に」も、そんな歌の一つでしょう。
そんなわけで、この曲をアンセムとして認定したいと思います。ロックではありませんが……


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