ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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ハイロウズ「胸がドキドキ」

2018-03-06 17:14:52 | 音楽批評
以前、このブログでは忌野清志郎ヘビーローテーションをやっていました。

今回はそのスピンオフで、清志郎つながりのアーティストとして、ハイロウズについて書こうと思います。

ハイロウズ。

ブルーハーツをやっていたマーシーさんと甲本ヒロトさんのコンビが作ったバンドですね。

実はこのハイロウズ、忌野清志郎とは浅からぬ縁があります。

というのも、ハイロウズでドラムをたたいていた大島賢治さんは、かつて忌野清志郎のバックをやっていた2・3’s(「ニーサンズ」と読む)というバンドのドラムでもあるのです。そういうところからの清志郎リンクです。
まあ、そんなことを持ち出すまでもなく、甲本さんは清志郎と親交があり、“ロック葬”では個性的な弔辞を読んだりもしています。その弔辞では、前年のフーの来日公演に一緒にいったことが明かされていますが、そのことからも彼らの親交の深さがわかるでしょう。

また、清志郎とは関係ない話ですが……ベースの調先人さんは、福岡県の朝倉市というところの出身で、この朝倉市は私の住んでいる小郡市の隣町にあたります。そういうわけで、割とどうでもいいことですが、私とはほぼ同郷というつながりもあるのです。
(ちなみに、この「調先人」という名前は、「しらべ・さきと」と読みます。カッコいい名前で、どう考えてもステージネームだろうと思うところですが、本名らしいです)

そんな4人で結成されたハイロウズは、ほとんど復古的ともいえるぐらいにストレートな本格ロックンロールを聴かせてくれるバンドでした。
「復古的」という言い方は気に障る人もいるかもしれませんが、それが気に食わないなら「原初的」と言い換えてもいいでしょう。
ロックという音楽は時代によってさまざまに形を変えてきましたが、いつの時代にも奏でられる普遍的なスタイルはあります。なんの気負いもてらいもなくロックンロールといえていた時代のロックンロール……ハイロウズは、そういうところを目指していたんだろうなと私は思っています。

そんなハイロウズが4枚目のシングルとして発表したのが、「胸がドキドキ」。

 

ストレートでシンプルという点でいえば、これ以上ないぐらいにストレートでシンプルなナンバーです。
使われているのはスリーコードとⅥのコードだけ。これはつまり「スタンド・バイ・ミー」と同じということで、「名曲はシンプル」を地でいっています。
そのシンプルさを別としても、曲調はハイロウズのほかの曲とは微妙に雰囲気が違うようにも思えるのですが、それはこの曲がアニメソングであったこととも関係があるかもしれません。
そう……この曲は、アニメ『名探偵コナン』の初代オープニングソングだったのです。

私があえてこの曲をピックアップしたのもそれゆです。

最近このブログではあまりそういう感じを出していませんでしたが、私も一応作家のはしくれであり、探偵小説を書いております。このブログはそのプロモーション用だということをふと思い出したので、せめて“探偵”のほうに寄せていこうかと……

 かっこいいかはわからないけど おさえきれない夢をみたんだ
 作戦たててじっと待つより 子どものままでぶつかってゆく

 宇宙の果てに旗を立てたとしても 宇宙の謎はわからないまま

 えらくもないし
 りっぱでもない
 わかってるのは胸のドキドキ
 答えでもない 本当でもない
 信じてるのは胸のドキドキ

と、甲本ヒロトさんは歌っています。
これがまさに、ロックンロールがロックンロールだった時代、ロックンロール第一世代のロックンロールです。
難しいことはなにもいわない。複雑な理論もいらない。答えなんて考えなくていい。必要なのはただ、“胸のドキドキ”という衝動だけ……そこを大事にしようぜ、ということでしょう。
そういったことが、大人と子供の境界線があいまいになる『名探偵コナン』にもつながってくるのかな……なんてことも私は思ってます。


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