ロック探偵のMY GENERATION

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ウルトラセブン55周年

2022-10-12 22:46:14 | 日記

いま、ウルトラセブンの4Kリマスター版が全国の劇場で上映されています。

ウルトラセブン55周年ということでの特別企画。

テレビで放送されたウルトラセブンの中から、五話を選んで上映するものです。
福岡では博多の映画館でこれをやっていて、先日観に行ってきました。




5話あるわけですが、そのクライマックスとなるのは、「史上最大の侵略」前後編。
テレビシリーズの最終回です。
ダンがアンヌに正体を告げる、あの名シーン……やはり、55周年企画にこれははずせないところでしょう。

ウルトラセブンは、地球を守るために戦い続けてきたために、もはやその体は限界に達し、もう地球にとどまっていることはできず、M78星雲へ帰らなければならない。これからは、地球人がみずからの手で地球を守っていく……前にシンウルトラマンの記事で書いた、“人間の物語”が、このセブンでも描かれるのです。

ちなみに、55周年記念でダン役の森次晃嗣さんが出演したイベントの動画があるので、載せておきましょう。
最終回のせりふを披露してくれます。字幕が間違ってますが……

「ウルトラセブン」ダン役・森次晃嗣、変身&「史上最大の侵略」セリフ生披露!55周年記念セレブレーショントークイベント


そしてもう一つ……今回の5話のなかで深い印象を残したエピソードとして、「超兵器R1号」があります。

これは、そのタイトルどおり、地球人が作ったR1号という超兵器の話。
すさまじい破壊力をもつその兵器がいよいよ実験段階となり、ギエロン星にむけて発射されることになりました。
強力な兵器がほぼ完成した……ということで、ウルトラ警備隊の面々も喜びますが、そんななかでダンだけは険しい表情をみせます。

たしかに、R1号は強力な兵器かも知れない。
だが、もし宇宙人がより強力な兵器を造ったら?
そうしたら、こちらはさらに強力なR2号、R3号を作るのか……

「それは、血を吐きながら続ける悲しいマラソンですよ」と、ダンはいいます。

結果として、悪い予感はダンが思っていたのとは違うかたちで現実のものとなります。
ギエロン星は生物のいない星と考えられていましたが、それは間違っていました。そこに住んでいたギエロン星獣は、自分の星を破壊されたことに怒って、地球へ襲来するのです。

強力な兵器を開発したとしても、それで安全が保障されるわけではない。むしろ、新たな脅威を生み出してしまうおそれすらある……歴史の教訓を踏まえた深いストーリーといえるでしょう。

セブンとギエロン星獣の戦いは、花畑で展開されます。
美しい花々と、そこで繰り広げられる悲しい戦いとのギャップ……考えさせられる話が多いといわれるセブンのなかでも屈指の名作ではないでしょうか。


ちなみに、セブン55周年を記念する公式の動画があるので、それを載せておきましょう。
さきほど紹介した「超兵器R1号」のダンのせりふも出てきます。

ウルトラセブン55周年「55年前、未来があった――」アニーバーサリームービー公開《ナレーション:林原めぐみ》

今でこそシリーズ最高傑作の呼び声も高いセブンですが、深い話が多いゆえにか、放送当時視聴率はぱっとしなかったともいいます。

今回劇場上映したなかでも、たとえば「盗まれたウルトラアイ」なんかは、どこか『ゴジラ対ヘドラ』を思わせるような独特な映像表現、そして怪獣との戦闘シーンがなく……子供向けでないところがあるわけです。
しかしそこに、単に怪獣をやっつけて終わりではないドラマがある。上の55周年動画でもいっていますが、たとえ敵であってもわかりあおうとする……そんなセブンのメッセージが、55年後の未来にも痛切に響いてくるのです。




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