ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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エルサレムを首都に?

2017-12-10 22:26:12 | 時事
先日、アメリカのトランプ大統領が、エルサレムをイスラエルの首都と宣言し、そのことが中東で大きな反発を招いています。
相変わらずお騒がせな大統領ですが、なんでこうまで次々にトラブルを起こすのかと呆れるほかありません。中東ばかりでなく、世界の各国から批判の声が出るのも当然でしょう。

以前もこのブログで書きましたが、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教が信仰するのは、同じ神です。ゆえに、エルサレムはこの3つの宗教すべてにとって重要な場所となっています。なぜ、その聖なる場所をめぐって争わなければならないのか。まったく、愚かしい話です。

しかも、一部報道によると、当のイスラエルさえ今回のアメリカの決定を本音では迷惑と思っているそうです。
それによって、中東情勢が緊迫するのは目に見えています。にもかかわらずトランプ大統領がこの決定を強行したのは、国内の強硬派むけのパフォーマンスではないかというわけです。

ことさらに対立を作り出して一部の強硬派から支持を得ようとするようなやり方が、世界をどんどんきな臭くしているように思えます。
敵を作り、その敵に対して威勢のいいことをいって人気をとるわけですが、その代償として、危険が増したり相手との関係を極度に悪化させたりというマイナスな影響が出てくることは避けられません。
そういう意図を見透かして、冷徹に突き放すような態度が、一般市民の側にも必要なんじゃないかと思いました。
「あいつ、またやってるよ」みたいなさめた見方を国民がしていれば、トランプ大統領のような人でも、そういったことはできなくなるでしょうから。

ビートルズ「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」(The Beatles, Strawberry Fields Forever)

2017-12-08 15:53:57 | 音楽批評
今日は12月8日。
ジョン・レノンの命日です。

ということで、ジョン・レノンの曲について書こうかと思ったんですが……ジョン・レノンに関しては、以前「イマジン」のことを書きました。
そこで今回は、ビートルズの Strawberry Fields Forever という曲について書きます。

 

なぜ、Strawberry Fields Forever なのか。
一つには、この曲はジョン・レノンの作で、私が考えるところでは、ビートルズでジョン・レノンが作った曲のなかでは代表曲の一つだからです。
そしてもう一つは、トミーシリーズの中にこの曲を題材にした作品があるからです。
以前このブログで『トミーはロック探偵』という連作短編集のことを書きましたが、そのなかに、「ストロベリー・フィールズ フォーエヴァー」という一編がありました。ということで、トミーゆかりの曲として、これがよかろうと。

The Beatles - Strawberry Fields Forever



この曲は、ポール・マッカートニーが演奏するメロトロンではじまります。

メロトロンというのは、サンプラーの元祖みたいな楽器です。
楽器の音をテープに録音して、そのテープを鍵盤に連動させて音を出します。それぞれの鍵盤に、その高さの音のテープがつながっていて、鍵盤を押すとそのテープが再生されて音が出る……というへんてこな鍵盤楽器です。

その性質上、音が安定しないといわれますが、その音色が、奇妙にこの曲に合っているようにも思えます。

その基調は、ぼんやりとして曖昧模糊な、霧に包まれた夢のなかのような世界です。
この曲が、サイケデリック期のビートルズを代表する曲と評される所以ですが、音楽だけでなく、歌詞も、はっきりしない表現が繰り返されます。たとえばこんな感じです。

  Always, no, sometimes,
  think it's me
  But you know I know
  when it's a dream
  I think, er, no,
  I mean, er, yes,

 「いつも、いや、ときどき」とか、「そう思う、ああ、いや、つまり、ああ、そう……」といったように、曖昧で、はっきりしないのです。
 そして、こんな歌詞もあります。

 No one, I think, is in my tree
I mean it must be high or low

  誰も僕の木にはいないみたいだ
 高いか低いかのどっちかってことさ

ここには、ジョンの孤独が表現されています。
子どもたちが木登りか何かしているけれど、自分の登っている木にはほかに誰もいない。それは、木が高いか低いかのどちらかだ……
ここで、高いか低いかのどちらか、としたところに、この歌のポイントがあります。

自分が人とは違う、仲間はずれだというときに、二通りの解釈がありえます。

「自分が天才だから周りの人間がついてこれない」と、「自分が愚かなために周りの人間についていけない」です。

ジョン・レノンは、この二つの可能性を対等に並立させて、どちらとも決めていないのです。

ここが、ジョン・レノンのジョン・レノンたるゆえんです。

前者の立場をとると、「否定」の方向にむかいますが、後者の場合はそうはなりません。だから、彼は「否定」「破壊」という立場をとらないのです。そういう姿勢は、ジョンの作ったほかの曲にも見て取ることができます。ジョン・レノンは、NO ではなくてYESの人なのです。

さて……
この Strawberry Fields Forever については、もう一つ指摘しておかなければならない重要な特徴があります。
それは、先述したトミーの短編「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」で謎解きのカギにもなっているのですが……それについては、ここでは書かずにおこうと思います。
まあ、ある意味ネタバレになってしまうので。いずれその作品を発表するときまで、こういったところには書かないでおこうかと。

スペースワールドに行ってきました。(2)

2017-12-06 21:37:03 | 日記
先ほどスペースワールドについての記事をアップしましたが、同行した友人から画像を提供してもらったので、もう少し書きたいと思います。

まずは、こちらの画像。



スペースワールドのシンボルである、巨大なスペースシャトルのレプリカです。

おそらく、閉園によって解体処分されるのだと思いますが、一億円ぐらいだせば譲ってもらえるそうです。



こちらは、園内の通路。
これは結構、宇宙っぽい感じが出てますね。



最後に、ポスターです。
閉園が決定して以来、スペースワールドは「なくなるヨ 全員集合!」など、軽い感じのCMを流していました。
しかしそれは、彼らにいわせると、「最後まで笑ってスペワに来てもらいたかったから」なのです。
そして、最後の最後で、こうして別れの言葉が出てきました。
見ていると、なんだか胸にぐっときます。敬礼とともに、シャトルは飛び立ち、もう地球には戻ってこないのです。

このポスターにあわせた動画もあるのですが、そこで中ノ森文子さんの歌が使われているということを、今日観て知りました。
ひさびさに聴く中ノ森さんの歌声が「いかなくちゃ」と告げています。泣けてきます。

12月31日のグランドフィナーレをもってスペースワールドは閉園となりますが、その記憶は残り続けることでしょう。

スペースワールドに行ってきました。

2017-12-06 20:35:19 | 日記
スペースワールドに行ってきました。

スペースワールドは、北九州にあるテーマパークです。
今年かぎりで閉園することが決まっており、最後の記念ということで行ってきました。



私は、27年前の開園時にも行ったことがあって、そのとき行われていた開園イベントのことを覚えています。

私の住んでいる場所からは遠いので、それ以降おそらく一度も行ったことはないんですが、やはり一抹の寂しさを感じずにはいられません。

スペースワールドは、八幡製鉄所の敷地の一部を利用して造られました。

そういうわけで、世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の一つである八幡製鉄所の旧本事務所が近くにあります。
ついでなので、そちらも見てきました。



残念ながら、現在も使用されている施設なので中に入ったりすることはできません。
遠くから見ることができるだけです。


で、スペースワールドへ。

スペースワールドは、その名が示す通り、宇宙をテーマにしています。
なので、宇宙博物館なるものがあり、「月の石」が展示されたりしています。



それから、なぜか「カピバランド」という場所があって、カピバラと触れ合うことができます。
100円でエサを食べさせることもできます。



そして、これまた宇宙とはあまり関係ない感じがしますが、アイススケート場があります。
宇宙船の滑走路が宇宙人によって凍結させられてしまった……というような設定が一応あるんですが、なかなか苦しいところでしょう。
たまたまそんなものを見つけたので、私も一滑りしてきました。



かなり久しぶりのアイススケートでしたが、まあ、それなりに形にはなってたんじゃないかなと思います。


もちろん、ちゃんと宇宙に関するアトラクションにも行ってます。

たとえば、プラネタリウムなんかを見てきました。
今となってはやや昔懐かしい感もある、3Dメガネをかけてみるやつです。

やっぱり宇宙の話は壮大で、子どもの頃にその類の本を読んでいたときのように、ロマンを感じました。

このロマンを創作にいかし、銀河鉄道みたいな作品を書けたらいいな、と思いました。

ジュンスカイウォーカーズ, MY GENERATION

2017-12-03 21:19:56 | 音楽批評
 

以前、フーの MY GENERATION について書きました。

そこから、同じタイトルつながりということで、今回は、ジュンスカイウォーカーズの MY GENERATION という曲をとりあげます。

JUN SKY WALKER(S)。
略してジュンスカ。

最近の方はあまり知らないかもしれませんが、1990年代前半ごろに、いわゆる“バンドブーム”をけん引したバンドの一つです。

バンドブームといっても、やはり最近の人は知らないでしょう.
また、いま五十代より上ぐらいの世代にとっては、あまりいいイメージがないかもしれません。
バンドブームというのは、後になってみると時代のあだ花みたいな扱いになっているようです。
たしかに、バンドブームはある種のバブルのようなもので、数年の狂乱のあとにしぼんでいきました。その旗手と目されていたジュンスカも、ブームの終焉に引きずり込まれていった感は否めないでしょう。
しかし、私は、それでもジュンスカを高く評価しています。小難しい理屈は抜きにして、こういうのが本来のロックンロールだと思ってます。

そのジュンスカの代表曲が、MY GENERATION。
インディーズ時代からのレパートリーで、ライブのしめはたいていこの曲と決まっており、RCサクセションでいえば「雨上がりの夜空に」に相当する曲といっていいでしょう。

はじめに書いたとおり、フーのMY GENERATION とまったく同じタイトルです。
おそらくそれは、ジュンスカの面々も意識しているところでしょう。そして、このブログのタイトルも同様です。フーだけでなく、ジュンスカのMY GENERATIONも念頭に置いています。

MY GENERATION は、いかにもジュンスカらしい、突き抜けるような、直球ストレートのロックンロールです。
宮田和弥さんの、パワフルなボーカルと、森純太さんの、あのしゃがれ声のコーラス。ギターも、余計なエフェクトはとっぱらって、とにかくストレートに鳴り響き、爆発するような爽快感を生み出します。

ジュンスカは、「ホコ天」で成長していったバンドです。
ストリートパフォーマンスから出てきたバンドであり、路上のエネルギーを一身に体現していました。
それが、80年代末ごろのバブルの世相にはまっていたのかもしれません。

また、それゆえに、バブル崩壊後のやや沈滞した世間の空気にはあまりなじまなかったのかもしれません。
ジュンスカは、メンバーチェンジ、レコード会社の移籍を経て、1997年にいったん解散しました。

しかし、それから10年後に再結成。
そのときは期間限定の再結成ということだったようですが、その後も何度か再結成しての活動があり、現在にいたるまで、断続的ながら活動を続けています。
来年はデビュー30周年にあたるということで、その特設サイトができていて、何やらカウントダウンがはじまっています。何らかのイベントがあるのかもしれません。

音楽を聴き始めた頃に聴いていたアーティストが、今でも現役で活動しているというのは、うれしいかぎりです。
来年、何があるのかはわかりませんが、30周年記念イベントのようなものがあるとしたら、ぜひ行きたいなあと思ってます。