いよいよ、一都三県で再延長されていた緊急事態宣言も、今日までとなりました。
新規感染者数のグラフからはすでに第4波の兆候が見えはじめていますが、予定どおりに解除ということです。
本来なら、解除は歓迎すべきことでしょう。
しかし、聞こえてくるのは「打つ手なしだから解除するしかない」とか「延長するともっと増加して解除できなくなるから解除」といったような、どこか本末転倒な政策決定者たちの声……これではとても解除を喜ぶ気にはなれません。
やはり頼みの綱はワクチンということでしょうが、それにしてもかなりの時間がかかることを覚悟しなければならないでしょう。
優先接種の対象になっている人たちは、そもそもワクチンを接種せずとも感染しないようにかなり気をつかっている人たちだと思われます。その人たちに接種している段階では、おそらく全体の傾向にほとんど影響しないでしょう(だからといってワクチンに意味がないといっているわけではありません)。
ということは、ワクチンが広くいきわたって社会全体で効果を発揮するまでには、まだもうしばらく時間がかかることになります。もうその足音が聞こえ始めている第4波には、おそらく間に合いません。
その間、ただ指をくわえて見ているだけなのか……ということになってきます。
私としては、以前書いた“毎月一週間の対策強化週間”という策をあらためて提案したいと思います。これは結構本気です。
もちろんそれだけでなく、そこに加えて、PCR検査の拡充、感染者の発見と隔離もやっていきます。そういう、やるべき基本的なことをきちんとやれば、そもそも新型コロナウィルスにとってあまり居心地がよくはないらしいこのアジア東部の風土で感染拡大を抑え込むのはそう難しいことではないんじゃないかと思われるのです。
打つ手なしという前に、そもそも打つべき手を打ってこなかったじゃないかというのは、ほうぼうでいわれているところです。まず何もやらないと決めてからやらない理由を探すような不毛な姿勢をあらためて、そろそろ現実に向き合うべきときでしょう。