手稲は最高!

手稲在住30年、手稲って本当にいいなって常々思っています。時に触れ、折に付け思いついた事を、取り留めなく書いてみます。

「青葉の笛」 を取り上げる時

2014-03-17 19:38:54 | 詩吟関係
「一の谷の軍営遂に支えず/平家の末路人をして悲しましむ/戦雲収まるところ残月あり/塞上笛は哀し吹きしものは誰ぞ」 松口月城

 この詩には別に「一の谷の軍営遂に支えず/平家の末路転た悲しむにてえたり/戦雲収まるところ残月あり/塞下笛は哀し吹くものは誰ぞ」というのがある。

 私が初めて習ったときは後者でした。まずこの二題の違いを指摘して、私は特に「吹きしものは誰ぞ」と「吹くものは誰ぞ」の違いを理解させる。
「吹きし」は過去形だが「吹くものは」だと現在形になる。 前に「戦雲収まるところ」とあるのだから、既に吹いていたはずの敦盛は死んでいるのです。ですから一の谷の決戦の始まる前に聞いた笛の音を思い起こしているというのが正しいのだろうと話します。

 そして平家物語の「敦盛の最後」を話してあげます。特に熊谷次郎直実の最後の言葉「関東の軍勢何万騎かあるらめども戦の陣に笛持つ人はよもあらじ。上臈はなおも優しかりけれ」を強調して話します。また昔の小学校唱歌の「一の谷の戦破れ,討たれし平家の公達あわれ」を歌って聞かせます。

 平忠度を扱うときも平家物語の「忠度の最後」を話してあげ、都落ちの途中から藤原俊成郷のもとに引きかえし、自分の歌を戦後編纂されるだろう「千載集」に一句でも入れてほしいと頼んだことも合わせて話すことにしています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする