紫根を掘る季節になった
生育の途中で茎に手を加えた株である。

掘り返してびっくりした。茎に手を加えたが、その姿はカメラには収めてない。要らぬ事をしたという形態であった。露地ではあるが、近くの野ネズミのいる畑ではなく、時たま草取りに行く畑であった。
株周りが巨大である。しかし根は紫根の鮮やかな色が、細い隣の紫根と比べても冴えない。
この株からは種を採る事ができなかった。いや、葉は繁ったが花を見なかったのである。
手を加えた事は確かなのだが、詳細は記憶していないのである。伸長する茎の先端を摘み取ったおぼろな記憶があるばかりだ。
それ故であろうか、こんもりとした姿で他と比べて殊の外草丈は低かった記憶がある。
株元を見ると3本立ちになっている。ひょっとすると2年目の株の収穫であったのだろうか。
この場所には何本か2年目の株が残してあり、そのほとんどが紫根は消えていて早くに枯れてしまっていた。
畑の整理に枯れ草と支柱をまとめて、雑草を抜き畝に鍬を入れて耕して、この株も踏みつぶしてしまう所であった。
「しこんあり すがたをけして なぞのこり」