朝の散歩コース八景水谷公園の湧水池では、よくカワセミを見かける。カワセミは水辺に生息する小鳥。翼は全体に美しい緑色で、背中のコバルトブルーが鮮やかな水色の体と、長いくちばしが特徴。漢字で「翡翠」と書く。翡翠は青い宝石。水際を一直線にわたるカワセミの緑の軌跡は、まさに飛翔する宝石のようだという。
散歩の途中で、池の中の枯れ木に留まるカワセミを何度も見る。水面近くの水際を飛翔する姿を見たこともあるが、そのあまりのはやさには瞬きする暇もない。
カワセミを見るたびに、その姿をカメラに納めたいと思うのだが、愛用のカメラは安物のコンパクトデジカメ。何度も挑戦するのだがいつもカワセミに逃げられてしまう。たまにその姿を捉え、カメラに納めるとピンボケばかり。つい先日、何度も挑戦しやっとカワセミの写真が撮れた。その嬉しさといったらない。やっと撮れたと嬉しくてしようがない。でも、池の中の枯れ木や土手に留まった姿ばかり。飛翔する写真はこのカメラでは無理なこと。
(シラサギや鴨と一緒に青い小さな鳥がカワセミ)〈可愛いね)
新しくて性能の良いカメラが欲しくてたまらないのだが、あまりにも高価。果たして"奥さま”からの許可がでるだろうか。と思案投げ首。
朝日新聞のコラムにカワセミの記事があった。
「求愛の時期になると、オスはメスにプレゼントをわたす。何度も水に飛び込んではようやく捕らえた魚をくわえなおし、まず枝や地面に叩きつけて動きを止める。それから魚をくわえなおし、頭側をメス、尻尾を自分側に向けて差し出す。ヒレやトゲがメスの喉に引っかからないよう細やかな配慮をしている」
なにかほほえましい話ではあるまいか。カワセミのオスはこんなマナーを、いったいいつ身につけるのだろう。カワセミがかわいくてならない。