師走もなかばを過ぎ、我が家の小さな庭のカエデやヤマボウシ、花みずきなどの落葉樹はすべて葉を落とし、すっかり寂しくなっている。塀代わりに植えたカイヅカイブキと白と赤の2本の椿は、この寒さにもかかわらず、わずかながら緑の葉を茂らせ、老人夫婦を癒してくれる。椿の花が開くのももう間近かなことだろう。
散歩の途中、八景水谷公園近くの民家の玄関そばにある1本のミカンの木には驚いた。不思議なミカンの木。どう見ても1本の木。なのに大きなミカンと小さなミカンが鈴なりだ。接ぎ木されたものだろうか。珍しくてしばらく立ち止まる。黄色のミカンとルビーのような小さなミカン。おいしそう。このミカンお正月の食卓を飾ることだろう。
年はとるが知らないことは多すぎる。1本の木に2種類のミカンは初めて見る光景。まだまだ学ぶことはたくさんあるようだ。残り少なくなったこれからの人生。何事も努力が大切。もう一息、机の前に座り込んだ。