15年前に買った”BOSE”のステレオが故障した。CD(コンパクトディスク)トレーの出し入れができない。すぐに”BOSE”に修理を依頼したが、古い機種で部品がないため、修理できないとの回答があった。
だが、ラジオは正常に聴くことができる。買い替えも考えたが、そのまま廃棄するには気が重い。しつこいようだが、どうにかならないかと、もう1度相談室に電話をかけた。返事は前と変わらない。万事が尽きた。経済的な負担は大きいが買い替えることを決めた。
相談室に、他の機種のカタログを請求したところ、担当の女性が、テレビの外部入力を使えば、CDが使えると教えてくれた。
電話でのやり取りが始まった。それからが大変。取り扱い説明書を開いて、手順を説明していただくのだが、なにしろ機械音痴のわたし。2時間近く説明を受けたが受け手が受け手。さっぱり中身が理解できない。ただ、光ケーブルが不足していることだけは分かった。そこで、一時電話を中断し、光ケーブルを買うため家電店に走った。
何度も何度も同じことを訪ねながら、どうやらテレビ端子に接続できたのは、さらに1時間、電話を掛けはじめてから3時間以上たっている。
15年も前に買った古いステレオから、CDの音楽が流れだしたのはその直後。涙が出るほどうれしかった。感激も一入。
それにしても3時間以上、素人相手に親切に応対していただいた相談室の女性にはお礼の言葉もない。何度も何度も「ありがとうございました」と告げて電話を切った。