台風の吹き返しの、風が残る夕暮れ、
電車は、増水した河川の橋を渡った。
着いたホームの雑踏で、夕陽に出会った。
学舎へと通う路上でも、空を仰いだ。
茜色に染まる雲が、いくつもたな引き、
水色をした空との境が、淡い混交を成していた。
水と朱の色の彩りに
私は、切なくも懐かしいギターの音色を聴いた。
近くて遠い空と雲に、胸がときめき、
思い出の中の、メロディーを口笛に吹いていた。
夕焼けの空は、人を癒しては暮れてゆく …。
私は、
遠い日々への
係恋(あこがれ)を惜しみつつ、
民家とビルの並ぶ四つ角で、空と別れた。
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