脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

本を捨てる。

2009年01月09日 09時35分03秒 | 近況
今日は、未明の都心で僅かに雪が舞ったらしい。
この冬一番の寒さで、風も氷のように冷たい。

年末、本の整理をして500冊位の本を捨てることにした。
本は全て実家に置き残してある弟と妹の本で、学生時代の教科書、
文庫本が大半である。捨てるといっても、資源回収として出した
のだが、汚れ等がない80冊ほどの文庫本は、取っておいた。
貧乏人なので、いつか古本屋に持ち込もうと思っている。

これらの本は、自分の本ではないから捨てられたが、
それでも、何であれ本を捨てることには、いつも抵抗がある。
そこに、その人の何かを抹殺する行為のような感覚があるのだ。

もちろん当人たちに同意を得て、処分したわけだが、
抹殺感覚にはやはり変わりは無い。自分の本も少し捨てたが、
「もう、この過去はいらない」
という決別の念がわかないと、私は捨てられない方である。

本と言えば、最近はほとんど買わなくなった。
以前は古本屋街を散策しては、気ままに買い集めるのが、
楽しみであり趣味のひとつでもあったのだが、足が向かない。
本離れのこの傾向は、インターネットの普及と関係があるのだろう。

昨日、地元の図書館に行ったら、「日経BP」誌の表紙が何処かで
見たことがある人だった。手に取ると、わが町の区長氏であった。
同誌によると、わが町は全国の市町村でIT化がNo.1なのだそうで
ホンマかいな?という感じだった。

ウチのジジ・ババなんて、インターネットは電器屋に行けば買える
新しいテレビだと思っているフシがある。東京23区でも高齢化率が
三番目位の町なので、住民のネット利用率は低い方ではなかろうか。
確かに自治体としてネットの普及に早くから取組んできてはいるし、
住民対象のパソコン講座(参加費500円)も頻繁に開かれている。

話が本から外れたが、図書館について言えば、この10年位の傾向
だが、ベストセラー作家の新刊本への貸出し予約数がかなり増えた。
わが町の図書館は6施設あるが、例えば昨春出た桐野夏生の『東京島』
は当初の予約数が300件、現在でも100件以上、全館蔵書数21冊
である。同じ本を区内各図書館が3冊以上蔵書している状況である。

このように一冊の本に特化した図書予算の使途には賛否もあろうが
私は反対ではない。この蔵書数には区民からの寄贈書も含まれている。
以前は新刊本を予約しても、数人から30人待ち程度だったものだが、
いかに一般の人々が、本を新規に買わなくなったかを示してみえる。

私もエンタメ系は借りて読むのが、合理的だと思っている。
私の蔵書の半分は、法律・会計関係の実用書、残りは人文・社会科学系
であるが、前者は古くなれば買い換えて捨ててもよいが、後者は個人的
な思い入れが深い。読みたい人にあげるなら良いが、捨てるには忍びな
いものがある。手狭な家なので、いつかは捨てざるを得ないだろうが、
やはり私の人生にとって、書物は私自身のアイデンティティーなのだ。

40代以降、なるべく「モノを持たない」を生活信条としているが、
以前から馴染みの蔵書には、未だ愛着断ち切り難し、である。






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