久しぶりにネズミが出た。
それも、夜の九時半頃、単身赴任中の弟が台所のテーブル席でビール
を飲みながら遅い夕飯を食べていた処、彼の背後から子ネズミが走って
きて目の前でテーブルからカーテンレールへジャンプして、すぐ上の
エアコンの後ろに入っていったようである。
二階に居た私は、弟の怒声と「わっ、ネズミだ!」という声を聞きつけ
て、台所へと降りて行き、エアコンの裏側を覗いてみた。
いつの間にか、エアコンの横幅をはみ出す程に大きな穴が空いている。
以前からエアコン裏に、穴が開いていることは知っていたが、さらに大
きくなっている。壁は薄く中は空洞である。パテで埋めることが出来な
いので、前々からアクリル板でも上から貼り付けようと思っていた。
その晩、このネズミは再度出現したらしく、ソバの束が齧られていた。
前日にもテーブルの上のバナナが齧られていたし、捨てたはずのご飯
の残りやら魚の皮などが床に落ちていたことがあったので、ネズミが
台所に出ていることは、一週間前から薄々気が付いてはいた。
早急にエアコンの裏の穴を塞がねばならない。
思いついたのは、ペットボトルである。
空の2Lボトルの胴体部分を、輪の状態でハサミで切ってからペシャ
ンコにして、それをエアコンの裏に押し込んでみた。
丁度、穴を塞ぐかたちで固定され動かない。
念を入れてテープで補強しておいた。さらにエアコンの外周を囲む形
でプラスチック製の鎖を巻きつけて、テープで固定した。
この防護策を施した深夜、やはりネズミがエアコンの裏を引っ掻いて
いる音がしたが、つるつる滑るし噛み付けないので、諦めたようだ。
ところが、我が家には使われていない二階の部屋があり、風通しの
ために窓を少し開けたままにして、入口のドアは締め切っていた。
ネズミは、その部屋に侵入したようで、夜中に物凄い音がしていた。
翌朝、空き部屋のドアを開けると、木屑が散乱していた。
ドアの真下の板が彫刻刀で削ったかのように抉られており、ネズミの
歯の強靭さと奴の執念深さを思い知らされた。
こいつはまた次の侵入を試みるに違いないと思い、警戒心を強くした。
一応、ネズミが削った木板は、削られた分だけセメダインで補強した上
空き部屋の窓はわざと開けたままにしておき、ドアは閉めて市販の「毒
えさ」を置いて、ドアの外には粘着性のネズミ捕りを敷いて、様子を見
ることにした。
我が家は、築25年程の木造民家なので、いままでにも何度かネズミは
出たことがあるが、こんな性悪なネズミは初めてである。出来れば捕獲
してしまいたい。
上記の措置を講じた翌朝、部屋を覗くと、やはり奴は侵入して来た様子
だが、毒えさが蹴散らされていただけでフンの一つも落ちてなかった。
市販の「毒えさ」は、近頃のネズミは食べないようである。
(毒えさにご飯をまぶして作ってみたが、結果は同じである。)
ネズミもグルメになっているのか、賢いのか。
数日様子を見ていたが、最早、我が家には未練がないものか、
余所に行ってしまったようである。
空き部屋は、殺菌スプレーを撒いて窓もドアも閉めてしまったが、
毒えさと粘着板はそのままにしてある。
ネズミは、気候が寒くなると暖を求めて人家に入り込もうとするよう
である。特にエアコンの裏、排水ホース周辺に隙間がある場合には要
注意である。
私がやったように、ペットボトルを輪切りにしたものを平らに潰して
隙間に押し込んでおくと、今の処、効果はあるようである。
親の食事の世話からネズミのご飯まで用意している近頃の私でありま
した。この話、おしまい。
それも、夜の九時半頃、単身赴任中の弟が台所のテーブル席でビール
を飲みながら遅い夕飯を食べていた処、彼の背後から子ネズミが走って
きて目の前でテーブルからカーテンレールへジャンプして、すぐ上の
エアコンの後ろに入っていったようである。
二階に居た私は、弟の怒声と「わっ、ネズミだ!」という声を聞きつけ
て、台所へと降りて行き、エアコンの裏側を覗いてみた。
いつの間にか、エアコンの横幅をはみ出す程に大きな穴が空いている。
以前からエアコン裏に、穴が開いていることは知っていたが、さらに大
きくなっている。壁は薄く中は空洞である。パテで埋めることが出来な
いので、前々からアクリル板でも上から貼り付けようと思っていた。
その晩、このネズミは再度出現したらしく、ソバの束が齧られていた。
前日にもテーブルの上のバナナが齧られていたし、捨てたはずのご飯
の残りやら魚の皮などが床に落ちていたことがあったので、ネズミが
台所に出ていることは、一週間前から薄々気が付いてはいた。
早急にエアコンの裏の穴を塞がねばならない。
思いついたのは、ペットボトルである。
空の2Lボトルの胴体部分を、輪の状態でハサミで切ってからペシャ
ンコにして、それをエアコンの裏に押し込んでみた。
丁度、穴を塞ぐかたちで固定され動かない。
念を入れてテープで補強しておいた。さらにエアコンの外周を囲む形
でプラスチック製の鎖を巻きつけて、テープで固定した。
この防護策を施した深夜、やはりネズミがエアコンの裏を引っ掻いて
いる音がしたが、つるつる滑るし噛み付けないので、諦めたようだ。
ところが、我が家には使われていない二階の部屋があり、風通しの
ために窓を少し開けたままにして、入口のドアは締め切っていた。
ネズミは、その部屋に侵入したようで、夜中に物凄い音がしていた。
翌朝、空き部屋のドアを開けると、木屑が散乱していた。
ドアの真下の板が彫刻刀で削ったかのように抉られており、ネズミの
歯の強靭さと奴の執念深さを思い知らされた。
こいつはまた次の侵入を試みるに違いないと思い、警戒心を強くした。
一応、ネズミが削った木板は、削られた分だけセメダインで補強した上
空き部屋の窓はわざと開けたままにしておき、ドアは閉めて市販の「毒
えさ」を置いて、ドアの外には粘着性のネズミ捕りを敷いて、様子を見
ることにした。
我が家は、築25年程の木造民家なので、いままでにも何度かネズミは
出たことがあるが、こんな性悪なネズミは初めてである。出来れば捕獲
してしまいたい。
上記の措置を講じた翌朝、部屋を覗くと、やはり奴は侵入して来た様子
だが、毒えさが蹴散らされていただけでフンの一つも落ちてなかった。
市販の「毒えさ」は、近頃のネズミは食べないようである。
(毒えさにご飯をまぶして作ってみたが、結果は同じである。)
ネズミもグルメになっているのか、賢いのか。
数日様子を見ていたが、最早、我が家には未練がないものか、
余所に行ってしまったようである。
空き部屋は、殺菌スプレーを撒いて窓もドアも閉めてしまったが、
毒えさと粘着板はそのままにしてある。
ネズミは、気候が寒くなると暖を求めて人家に入り込もうとするよう
である。特にエアコンの裏、排水ホース周辺に隙間がある場合には要
注意である。
私がやったように、ペットボトルを輪切りにしたものを平らに潰して
隙間に押し込んでおくと、今の処、効果はあるようである。
親の食事の世話からネズミのご飯まで用意している近頃の私でありま
した。この話、おしまい。