脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

廃業 / 始業

2010年03月06日 11時13分46秒 | 近況
我が家の自営業(金属加工業)のお話ですが、この一年程ほとんど仕事
が入らず、ジィジも先月で齢80を迎え、ついに本人が廃業を決意す
るに至りました。半世紀以上も勤しんだ工場(こうば)であり、ジィジ
の人生そのものであり、心の拠り所だったのだろうと思います。

昨日はすぐ近所にある昔馴染みのスクラップ屋さんが来て、搬出入口
付近を整理してました。ジィジが一人親方の町工場といっても、広さ
が40~50坪あり、10数台の大小の機械類、詰所、トイレ、手洗い場等
全てを廃棄整理せねばなりません。

工場の整理・解体等を業者に依頼すれば、数百万は掛かるでしょう。
スクラップ屋さんからは、現状のままでは、旋盤やフライス盤等の機
械は解体してくれないと引き取れないと言われ、重量物が多いので私
も手伝いながら時間を掛けて次々と鉄くずサイズに分解解体処理をし
て引き取って貰う方針です。

かくの如く、古い町工場は使っている機械も相当に旧式なので、中古
市場に出せる価値さえない、処分しづらい重量物なため、仕事なし・
カネなしだから廃業するのに、機械の撤去や工場の解体にお金が掛か
るので、廃工場のままに放置されてしまうことが起こります。

公的な融資制度を少し調べてみても、新規事業への援助はあっても、
廃業資金の貸付制度は見当たりません。廃業しないと新規事業も立ち
上がらないのですが、この当りの点について、廃業支援制度という
ものも社会的に必要ではないのかと感じています。


とにかく、廃業です。
私とジィジだけで、どこまで機械の解体処分が可能か、判然としませ
んが、すぐ近隣に馴染みの産廃事業者がいることは大きな救いです。
最終的には、工場の建物自体も解体するわけですが、
こればかりは専門業者に依頼するしか手はないでしょう。

では、工場用地を更地にして、その後どうするか?
ジィジは外装をリニューワルして倉庫にして貸し出すか、コイン・パ
ーキングにするか、他に何か案はないかと無い知恵を絞り、挨拶方々
同業者等に声を掛けているようですが、カネを掛けずに土地を有効活
用するとなると、やれることは限られてます。

コンビニ案も業者から打診を受けている処ですが、
条件が悪い上に既に競合他社のコンビニが3店舗あります。
サブリースのマンション経営とコンビニはダメだ、というのがジィジ
の結論です。
私の意見も同様ですが、では土地の売却や定期借地権での売却では?
となると、両親の気持ちと私の考えに、いくらかギャップがあるよう
です。


でもまぁ、正直な話、ジィジが自分から廃業に向けて動いてくれて
ホッとしてます。彼亡き後に、私が立ち廻るには、工場の機械設備等
に不案内な身ですから、兄弟でカネを工面して専門業者に任せるか、
コンビニ案にでも乗ってみるかという話にさえ流れかねません。

人生、塞翁が馬とは良く言ったものです。
かの元凶のようなリーマン・ショックが、人の人生に丁度良い引き際
を与えてくれたようなものです。

これから、半年~一年掛かり位でボチボチ、整理・解体を手伝い、
ケガのないように、工場が一掃出きれば、一安心です。
ホントの課題は、その後に土地をどうするかなのですが、
更地に出来れば、条件の良い話の一つも出てくるかもしれません。









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