脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

反「格差」。

2011年10月16日 14時01分01秒 | 社会時評
現在、世界各国・各地で反・格差の集会やデモが頻発している。
貧乏な「少費」者である私も、勿論その主張には大賛成である。

だが、「格差」に反対という主張は、相手が見えにくい。
かつてのマルクス主義では、搾取を糾弾し、資本家対労働者という
判り易い図式を描けたが、この対比では収まり切れない「格差」という
社会・経済的形象があるのだと思う。

もっとも、初期マルクスには「疎外」問題という視点もあり、今日の
反・格差の主張は、反「疎外」、反「搾取」の双方を包括する、さらに
ローカルでありグローバルでもある、包括的な個人から世界大の、人類
社会問題を提起しているようにも思える。


日本では十数年前、山一證券や北海道拓殖銀等の大手企業が相次いで
経営破綻した金融危機の時期があった。日本社会では、あの頃から
年間自殺者三万人超という社会現象が生じた、とも言われている。

それ以後の金融危機においても、いや、それ以前からもそうであったが、
救済される側とは、金融や社会システム或いは大企業の存続という顔の
ない実体ばかりであり、生活者個人は、ザルから零れるように地に振る
い落とされ、自己責任での対処を強いられる、そんな現実である。

落伍者への、セーフティ・ネットの拡充のような議論も大事であるが、
格差の発生源について、見詰め直し議論を深め、その是正措置を、可能
な限りアクション・プランとして敢行するような、社会・経済政策を
練って貰いたい。

例えば、社員ばかり減給・リストラするくせに、業績の割りに過大な
役員報酬を取る会社や役員に、国がその経営に強制介入する仕組みや
格差是正の通報制度等が整えられてもいいと思う。

反「格差」というからには、経済や富だけではなく、社会(学校)生活
全般における様々な「格差」も視野において是正していくべきである。
社会から「格差」の芽を摘むような(「非行の芽を摘もう」みたいな)、
格差是正の国民大衆的な社会運動を、国・官民挙げて推進すべし!





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2 コメント

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「格差」という妖怪 (ユメノ・ロンド)
2011-10-17 09:32:22
とちの木 さま。

こんにちは。
コメントをありがとうございました。

現代は革命のような、大きな「物語」が終焉した時代かのようにも言われています。
小さな反・格差の物語、その取り組みを粘り強く重ねていくしか、現状は改まらないように思ってます。
 格差なんてモノともせず、突っ切って生きるような、豪胆でしなやかで自由な、意識を持ち続けることが、個人においては肝要と思います。
 また、とちの木さんのブログも拝見させて下さい。では、また。
返信する
こんばんは。 (とちの木)
2011-10-17 02:21:51
格差という問題は厄介ですね。
すぐ「自己責任」とかいう言葉で片付けようとする人たちがいるので・・・
この社会では、自己責任も限界になっていると思います。
内田樹さんが「自己責任」論の限界について、「下流志向」の中で言及していますが、全くその通りだと私は思います。
(「下流志向」-116頁から)
格差の発生源は・・・やはり貧困が貧困を生むのでしょうか?私など正社員と言いながら、手取りは生活保護費より数万円多いだけです。(障害年金を勘定に入れるともっと多いですが・・・)
欲しい本もCDも買えません。
共産革命を起こせ、とまでは考えませんし、自衛隊にクーデターを起こせ、とも言いませんが、何かこの社会に欠けているものがある気がします。
それは社会革命では得られないもののような気がするのですが・・・
補遺・・・私はFという会社は退職し、現在はSという会社に勤めています。
補遺その2・・・パニック状態により、自分のブログを閉鎖してしまいましたが、また新しいブログをやっています。懲りずにヘボ短歌などを創ったりしておりますが、よかったらご清覧下さい。
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