「あまちゃん」も大好きですが、やっぱり「カーネーション」です。このブログを始めたきっかけは「カーネーション」もし放送がなければ 間違いなくブログはやっていなかったでしょう。
実在のファッションデザイナーで世界的にも有名な三姉妹、その母が主人公という、華やかな世界の題材には見る前から面白そう!と思いました。始まってみれば、大正から昭和へと日本のファッションの黎明期に、手探りで洋裁を始めたひとりの女性の一代記に、すっかりはまりました。
何もないところから1人で洋裁を始めた、岸和田弁でまくしたてる、負けん気の強いひとりの女性。その鼻っ柱の強さが、嫌味に見えないのは、ひとえにこの物語が事実だからこそ。ひとつひとつ、夢を実現させてゆく その小気味よさには拍手を送りました。くじけずに失敗を恐れずに 真っ直ぐに突き進むその姿、心から主人公を応援したいと思いました。
主人公を巡る、父母、祖母、夫、恋人、三姉妹、脇役に至るまで、一人一人の人物像の誰もが魅力的。主人公と大喧嘩したり、厳しい言葉を吐いたりするけど、その誰も憎めない愛すべき人たちでした。それぞれの親子兄弟が相手を思いやる、その登場人物によって様々に違う思いやりの気持ち、愛情の形が見る者の心を打ちます。誰もが一生懸命に、あの激動の時代を生き抜いていったのです。どの人物像にも深い人間味が溢れ、まったく脚本には手抜きという文字がありません。
戦後の華やかな三姉妹の活躍と姉妹愛、お互いのライバル心や、それぞれの葛藤にも惹きつけられました。私でも知っている、ファッションの数々のエピソードには見ていて、思わず胸が躍りました。
そして、大正から昭和へと動いてゆく商人の町、大阪の風景がしっとりと陰りを帯びて美しく、この物語に奥行と深みを与えていました。
年齢を重ね、皺だらけになり、体が動かなくなってゆく年老いた主人公の姿。その死の最期の瞬間までなお、この物語が美しいのは、ひとえに主人公が精一杯悔いなく生きたから。歳をとるのも悪くはない、そう思わせる主人公の最期の姿でした。
gooの「好きな朝ドラは?」 というお題に、思わず参加。こんなに熱く書いてるヒマないのに~ついつい・・