俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

医療不祥事

2012-11-04 10:13:22 | Weblog
 悪徳医師には生活保護受給者は現金輸送車か足の生えた札束に見えるらしい。それほどまでに食い物にされている。但し実際に被害を被るのはそれを負担させられる国民だ。
 生活保護の受給者は医療費の個人負担が無い。それを悪用した不正医療が少なくないがその典型例と思える事件が2009年に発覚した。山本病院事件だ。関西の人とそれ以外の人とでは情報量が全然違うので概略を説明すると、生活保護受給者を入院させて検査漬け・薬漬けにして更には不必要な心臓手術まで行って死に至らしめたというとんでもない事件だ。一審の奈良地裁では実刑判決が下されたが大阪高裁へ控訴されているので未だ刑は確定していない。
 生活保護受給者は検査や薬の自己負担が無いので自覚症状が無くても医師の言いなりになる。それに付け込んで散々検査をして大量の不要な薬を処方してもその費用は総て福祉=国民の負担となる。
 30日以上入院させると診療報酬が減額されるのでそれまでに「悪のネットワーク」を使って他の特定の病院に転院させる。転院先では新規の入院患者として検査漬けにして「○○の疑い」というカルテをでっち上げて薬漬けにする。そしてまた30日以内に他の特定の病院に転院させて同じことを繰り返す。カルテや処方箋の偽造もやりたい放題だ。その診療報酬は(ニセ)患者一人・1ヶ月当たり100万円ほどにも達するそうだ。
 ニセ患者にとっては「食う寝る所に住む所」が提供され至れり尽くせりだ。ホームレス生活とは比べ物にならない快適な環境だ。こうやって生活保護受給者と悪徳医師による利権構造が生まれる。彼らは国民の財産を蝕むダニだ。こんなデタラメを見逃す厚生労働省の役人は亡国の輩だ。

皺寄せ

2012-11-04 09:46:06 | Weblog
 田中真紀子文部科学大臣が大学設置・学校法人審議会の答申を覆して、来春開校の予定だった3大学が開校できなくなった。田中大臣が指摘するとおり、大学が多過ぎることや大学生の質が低下していることは事実だろう。しかし少なくともこの3大学には学力低下の責任は無い。これは八つ当たりかいじめのようなものだ。
 東京に引っ越す予定の人が突然「東京の人口は多過ぎる」と言って拒絶されて納得するだろうか。開店直前のコンビニが「店が多過ぎて共倒れになる」として営業許可を取り消されたらどうするだろうか。生活保護の不正受給が多いという理由で新規の受給請求を拒否できるだろうか。
 現在の制度に問題があるのなら全体で解決を図るべきであって、弱い立場にいる許認可を求める人に皺寄せするべきではない。監督官庁の指導に沿って粛々と準備を進めて来た善良な新規参入者を突然拒絶するのは既存集団の既得権益だけを守ろうとする排他主義以外の何物でも無かろう。もしかしたらどこかの大学に接待されて「大学が多過ぎる」と言われて「よっしゃよっしゃ」と引き受けたのではないかという下衆の勘繰りさえしたくなる。
 もしこれまでの認可制度が間違っていたのなら最初にすべきことは組織の長としての謝罪であり、次にすべきことは不正な状態を放置していた前任者・前々任者等に対する断罪であろう。それをせずに一方的に否定して、2階に上がった人の梯子を外すような卑劣なマネをすべきではない。これは政治主導ではない。権力者の横暴だ。