俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

タライ回し

2012-11-10 09:37:21 | Weblog
 タライ回しは過去のものと思っていた。大抵のお役所では案内係が配備され、どの窓口に行けば良いのか分からない住民が振り回されることは少なくなった。しかし意外なところにタライ回しが残っていた。パソコンの問い合わせだ。
 パソコンの画面が青地に白の英字に変わってしまった。ブルーバックと呼ばれるトラブルらしい。そのことを画面上でウインドウズに送信していたら「インテルにアクセスしてインストールすれば解決する」という画面に辿り着いた。ところがインテルの画面は英字だ。日本語のパソコン用語でさえ充分に理解できない私が怪しげな英語力に頼って操作すれば無茶苦茶になりかねない。そこでNTTのリモートサポートセンターに助けを求めた。しかし返答は「機械のトラブルなのでメーカーに連絡せよ」とのことだった。東芝に電話すると留守番電話に繋がり「ウインドウズのトラブルはマイクロソフトに連絡せよ」とのことだった。どうやら東芝ではトラブル対応を放棄しているようだ。マイクロソフトに電話すると留守番電話で「込み合っているので折り返し電話する」とのことだった。
 1時間ほど待ったが待ち切れなくなって再度マイクロソフトに電話をするとオペレーターが出て「担当者に繋ぐ。代金は内容に関わらず一律4,200円だ」と言ってそのまま待たされた。受話器を抱えたままで待っていたが、そのうちまたブルーバックに変わり何度も再起動を繰り返しているうちに正常画面に戻り、「インテルにアクセスせよ」という表示が現れなくなった。1時間ほど待ってようやく担当者が電話口に出た。しかし肝心の「インテルにアクセスせよ」という表示が現れないのだから尋ねようが無い。結局、2時間余りを浪費した末に、勝手に直ってしまった。変な話だ。もしトラブル中に電話が繋がっていたら4,200円請求されていたところだ。自然に直るような簡単なトラブルでも4,200円請求するのはボッタクリだ。独占企業だからこんな不誠実が許されているのだろう。

隣国

2012-11-10 09:07:42 | Weblog
 中国には古くから近攻遠交という外交戦略がある。遠くの国と親交を深めて近くの国を攻めるという戦略だ。挟み撃ちの標的とされた国は圧倒的に不利になる。
 隣国とは利害が対立し易い。例えば領土だ。日本は国境を接する総ての国と領土問題を抱えている。こんな国は珍しいのではないだろうか。ヨーロッパではドイツとフランスが領土を巡って何度も戦った。EUは独仏間の領土争いを防ぐために考案されたとさえ言えよう。
 資源争いも少なくない。特に国境を跨ぐ川を巡る争いは多い。上流に位置する国で大量に取水すれば下流では水不足になる。水の絶対量が足りない時に「下流の人のために水の使用を控えよう」という発想は生まれにくい。住民にとっては死活問題だからだ。国は国民の利益を守るために、河口堰を破壊しようとする隣国のテロリストを武力で鎮圧する。彼らにとってはこれが「正義」だ。この場合、国民の利益を守ることと国益が一致するから行動はエスカレートする。他国の利益にも配慮するような人は非国民とされる。こうして隣国とは敵対関係に陥る。
 幸いなことに日本は島国だから他国と水争いをしたことが無い。日本海のゴミや中国の有毒ガスが問題になる程度だ。しかし外国との水争いを克服した経験を持たないことが日本人を外交下手にしているのではないだろうか。
 最近行われた調査では、アジア各国が日本に対して非常に好意的である中で、韓国と中国だけが極端に日本嫌いだった。これは両国の反日教育だけが原因ではなく、日本の近隣外交が未熟で不充分だからではないだろうか。