俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

個人差

2013-01-03 12:56:08 | Weblog
 体質は人によって異なる。同じ物でも人によって毒にも薬にもなる。予防接種で発作を起こす人もいれば卵や牛乳でアレルギー反応を起こす人もいる。
 薬は元々、人体に異常な反応を起こさせる劇物であり、食品も多かれ少なかれ毒性を持っている。それが毒になるか薬になるかは量が適正であるかどうかに掛かっている。そしてその適量は一人一人異なる。
 医療には標準治療という考え方があり専門医の学会がガイドラインを定める。それに従っている限り個々の医師が責任を問われることは無い。しかしこれは個人差を無視した危険なシステムではないだろうか。卵を食べて死ぬ人がいるぐらいだから薬の副作用で死ぬ可能性はそれよりも遥かに高い。では副作用を防ぐためにどうするか。殆んどの人が安全なレベル、つまり余り効かないレベルの量しか投与できないということになってしまう。これでは毒にも薬にもならない。理想の医療はオーダーメイド医療だろう。個々の体質に合わせて投薬量を決めるべきだろう。
 アレルギーや副作用のニュースに触れるたびに個人差を痛感する。八方美人が美人でないように誰にでも有効な医療は正しい医療とは思えない。7時間睡眠の人が最も長寿だと言われるが、多分適正睡眠時間は人によって異なるだろう。無理やり標準に合わせることは危険だ。己の体質を知りそれに合った生活をすべきだ。猿真似をすれば健康を損ないかねない。

少子化のメリット

2013-01-03 12:31:24 | Weblog
 肉食動物がいない島では草食動物が平和に暮らしている。そこへ肉食動物が侵入したら、総ての羊が狼に食べられてしまうだろうか。そんなことは起こらない。必ず均衡状態が生まれて狼と羊が共存する。狼が増え過ぎると餌になる羊が足りなくなる。すると狼は飢え死にすることになり、今度は羊が増える。こうやって狼と羊は最適のバランスで落ち着く。これが生態系だ。
 日本の人口が減っているのは生態系のバランスが崩れているからだろう。こんな狭い島に1億3千万人も住み、肉食動物とも言える欧米人が跋扈すれば矛盾が生じても当然だ。食料もエネルギーも輸入に依存するから輸出産業が国の生命線となる。しかし輸入が減れば輸出が減っても困らない。
 日本は金にモノを言わせて食料品を買い漁っているが、3,000万tも輸入しながら2,000万tも廃棄している。こんな馬鹿なことをやめれば1,000万tを輸入すれば事足りる。これで食料自給率も上がる。
 人口が減れば必要な食料が減るし、失業率も下がる。大規模農業が可能になるし、自動車が減るから空気も綺麗になる。
 戦争をして人減らしをする必要は全く無いが、少子化によって徐々に人口が減れば多くの問題が解決される。人口が減れば国としてのGDPは減るだろうが一人当たりのGDPは増えるだろうし、一人当たりの土地面積も増える。国民一人一人としては今よりも豊かになるのではないだろうか。
 生態系に逆らって「産めよ殖やせ」と百年前のようなスローガンを唱えても虚しいだけだ。バブル期のような膨張経済よりも縮小均衡こそ今後の課題だ。量よりも質だ。