俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

駆け込み退職

2013-01-24 10:10:24 | Weblog
 地方公務員の退職金が3月から引き下げられるため全国で駆け込み退職が相次いでいる。担任教師の責任放棄を非難する意見もあるが、この駆け込み退職は労働者として当然の権利であり何ら非難には値しない。
 県によって若干違うが、大まかに言えば、3月末付けで退職すれば退職金が150万円程度減額されるようだ。1月または2月に退職すれば給与所得は減るが退職金は減額されずに済む。
 減額という言葉だから誤解されるが実態はこういうことだ。「3月末まで働いて責任を全うしたいのなら150万円払え」こんな理不尽な命令に「ハイ」と答えるのは余程の阿呆だけだろう。
 中途退職する公務員の行為は正当だ。悪いのは総務省からの指示を碌に検討せずに不合理な条例を定めた県会議員だ。こんな無責任な条例を定めるから公務員が振り回され市民が犠牲にされる。東京都では、定年前の自己都合退職は減額される仕組みになっているのでこんな駆け込み退職は発生していない。このことからも明らかなようにいい加減な条例を定めたことが諸悪の根源だ。
 しかし今更、既に定めた条例を撤回することはできまい。ならば金銭的負担だけでも議員に負わせたらどうだろうか。新たに必要となる臨時職員の人件費などは議員報酬を削って埋め合わせるべきだろう。責任を感じて自ら申し出る議員が一人ぐらいはいてほしいと思う。

朝日新聞の誤報

2013-01-24 09:44:22 | Weblog
 23日付けの朝日新聞には驚いた。驚いたどころではない、全くブッタマゲてしまった。恥ずかしげもなく「当時の文部省が『侵略』を『進出』に変えようとしていたとして、中国や韓国が反発」と書かれていたからだ。どんな価値観・倫理観を持つ人がマスコミ史に残る誤報事件についてまるで他人事のように、しかも訂正もせずに書けるのだろうか。朝日新聞はこの記事を誤報と認めたのではなかったのか。
 なぜこんな記事が書けるのだろうか。誤報であると認めないのが朝日新聞社の新しいスタンダードなのだろうか。あるいは誤報ではあったがその記事に対して「中国や韓国が反発」したことは事実だと言い張るつもりだろうか。いずれにせよ過去の犯罪的誤報を反省しないトンデモナイ記事だ。
 世代交代があって誤報の事実を知らない記者が書いたのかも知れない。しかし非常に有名な事件だけに編集者全員が知らないということはあり得ない。確信犯、つまり誤報ではなかったと改めて主張したいのだろうか。
 正しい文章は「当時の文部省が『侵略』を『進出』に変えようとしていたという『朝日新聞などの誤報に基いて』、中国や韓国が反発」だろう。当然こんな恥晒しな記事は書けない。
 朝日新聞は日本の歴史について語る前に自社の歴史について総括しておく必要がある。それを怠る限り彼らに歴史について語る資格は無い。朝日新聞には猛省を促したい。