俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

多彩な黒人

2013-02-02 09:37:18 | Weblog
 黒人の身体能力は高いと日本人は信じている。ケニアやエチオピアの長距離ランナーに日本人は太刀打ちできない。またジャマイカのウサイン・ボルト選手などの短距離ランナーの能力は天性のものだろう。ここでハタと気付かないだろうか。この2つは全く逆の能力だ。長距離走者に必要なのは遅筋でありスプリンターに必要なのは速筋だ。この2つを「身体能力」と一括りにするのは芸術家と哲学者を一括りにするのと同じくらい乱暴な話だろう。
 ボルト選手の出自はかつて「奴隷海岸」と呼ばれたギニア湾近辺のアフリカ西部だろう。一方でケニアもエチオピアもアフリカ東部に位置する。この2つの地域は日本・フィリピン間よりも離れている。
 歴史を更に遡れば人類発祥の地こそアフリカだ。人類はアフリカで生まれ幾多の危機を乗り越えてから小アジアを経て世界中へ広まったと考えられている。つまり白人も黄色人種も多様な原人類から枝分かれした亜種に過ぎない。人類の根源は黒人だ。従って生物多様性をもじって人類多様性を語るなら、最も多様性を持つのは黒人だろう。
 日本人は黒人を識別する能力が著しく劣っており、未開人種であるという偏見に凝り固まっている。私は、黒人こそ最も多様性を持つ人種ではないかと考えている。アメリカのオバマ大統領はその典型だ。
 今は未開・貧困・政変に喘いでいるが、黒人の潜在能力は高く、21世紀末には黒人が世界をリードするのではないかと私は半ば本気で考えている。

丸刈り

2013-02-02 09:11:59 | Weblog
 AKB48の峯岸みなみさんの丸刈り謝罪会見が話題になっている。芸能界に疎い私などが口を挟むべきことではないかも知れないが嫌な気分だ。新手のいじめと思えてならない。
 自分の意志で丸刈りにしたと言うが信用できない。希望退職する人だって実は大半が自分の希望ではなく会社の希望に沿って退職しているのが実情だ。実際には追い出されたのに表向きだけは本人の希望というタテマエが貫かれている。
 誰にも相談せずに一人で決めたという発言も不自然極まりない。
 「共感する女脳」という言葉があるが、私は女性の最大の長所は共感力だと思っている。他者から分離して孤独者となり勝ちな男と違って多くの女性には共感力が備わっている。良い意味で自己と他者の境界が曖昧なのだ。一人で悩みを抱え込まずに問題を共有して解決策を見出そうという手法は女性特有の優れた能力だと私は思っている。増してや彼女はAKB48というチームの一員であり似た立場の人が大勢いる。相談せずに決めるということはあり得ない。
 これを仕掛けたのは男だろう。少なくとも女の発想ではない。スキャンダルを同情に変えようとするのはいかにも狡賢い男の発想だ。「追放されたくなければ坊主になって謝れ」と命じられて泣く泣く従わされたというのが真相ではないだろうか。
 私が最も恐れるのはこれが前例になることだ。体罰が問題になっている今、体罰の代わりに「自主的な懲罰」がトレンドになりかねない。反省の証明として自主的に自らを罰することが掟となるなら大問題だ。これはリンチだ。偽の自主性が横行すれば言論の自由でさえ否定される。