怒りは意外なほど高級な感情と思える。
怒りは決して単純な感情ではない。怒りは対象を選ぶ。喜哀楽は自然に対しても向けられるが怒りだけは人為的なものにしか向かわない。それだけ知性的とさえ言えよう。自然に対して怒るのは小学生ぐらいだ。
怒りは当為(~すべし)に基く理性的感情だ。期待という判断基準に背く場合にのみ怒りは発動される。友人が約束を破ったり危ない運転で怖い思いをした時などの怒りは価値観に基いている。もし価値基準(~すべし)が無ければ怒らない。
人間以外の動物に喜哀楽の感情はあるが、怒りだけは類人猿以外では殆んど見受けられない。猫は怒りのような動作を示すがただの威嚇ではないだろうか・
人間の怒りは人と人工物にしか向けられない。機械や施設に対して怒ることはあっても、立ち木にぶつかって木に怒る人はいない。自分に対して怒る。
このように怒りは人間特有の高度な感情であるにも拘わらずこれまで蔑視されて来た。怒りに関する本を探しても大半が「鎮めること」をテーマとしており、積極的に評価する本は殆んど見当たらない。不当に貶められている怒りを見直すべきだろう。怒りこそ最も強烈な感情であり、自らを犠牲にしてでも変革しようという損得を超越した稀有な感情だ。怒りを評価することはフロイトが性欲の価値を見出したことにも劣らないコペルニクス的転回とさえ思える。
怒り散らせ、と言いたい訳ではない。怒りという感情が充分に知的なものであり、それを抑圧せずに意識化することが社会を変革するパワーとなり、同時に本人の精神衛生のためにも好ましいということを指摘したい。
怒りは決して単純な感情ではない。怒りは対象を選ぶ。喜哀楽は自然に対しても向けられるが怒りだけは人為的なものにしか向かわない。それだけ知性的とさえ言えよう。自然に対して怒るのは小学生ぐらいだ。
怒りは当為(~すべし)に基く理性的感情だ。期待という判断基準に背く場合にのみ怒りは発動される。友人が約束を破ったり危ない運転で怖い思いをした時などの怒りは価値観に基いている。もし価値基準(~すべし)が無ければ怒らない。
人間以外の動物に喜哀楽の感情はあるが、怒りだけは類人猿以外では殆んど見受けられない。猫は怒りのような動作を示すがただの威嚇ではないだろうか・
人間の怒りは人と人工物にしか向けられない。機械や施設に対して怒ることはあっても、立ち木にぶつかって木に怒る人はいない。自分に対して怒る。
このように怒りは人間特有の高度な感情であるにも拘わらずこれまで蔑視されて来た。怒りに関する本を探しても大半が「鎮めること」をテーマとしており、積極的に評価する本は殆んど見当たらない。不当に貶められている怒りを見直すべきだろう。怒りこそ最も強烈な感情であり、自らを犠牲にしてでも変革しようという損得を超越した稀有な感情だ。怒りを評価することはフロイトが性欲の価値を見出したことにも劣らないコペルニクス的転回とさえ思える。
怒り散らせ、と言いたい訳ではない。怒りという感情が充分に知的なものであり、それを抑圧せずに意識化することが社会を変革するパワーとなり、同時に本人の精神衛生のためにも好ましいということを指摘したい。