俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

審判

2013-03-19 11:03:32 | Weblog
 選手一人で八百長を演出するのは難しいが審判はたった一人でも八百長試合を演出できる。
 判定が問題になった国際スポーツ大会が続いた。フィギュアスケートの世界選手権と野球のWBCだ。
 昔からよく揉めたフィギュアスケートの採点はかなりガラス張りになっているので私は余り不満を感じないが、WBCの主審の判定には少なからず疑問を感じる。特に昨日(18日)の日本対プエルトリコ戦の主審は酷かった。判定基準がバラバラだったように思う。
 前田健太投手の決め球は外角低め一杯に落ちるスライダーだろう。これがストライクと判定されるかボールと判定されるかは大違いだ。昨日の主審の判定は甘かったり辛かったりして一貫性が無かった。そのため最後までストライクゾーンが確定せず前田投手にとっては満足できる投球ができなかった。
 ゲームの判定ではないが、レスリングが中核競技から外された経緯も不透明だ。国際性・人気など39項目の評価基準に基くと言うがその内容は公表されていない。総合的判断というタテマエで恣意的判断が横行するなら困ったことだ。
 選手はルールに従ってプレイする。ルールの中でベストを尽くす。ファンもルールに基いてゲームを楽しんでいるのであって、審判がルールを破ればゲームはぶち壊しになる。審判がゲームの生殺与奪権を握っているのだから、選手のランキングと同様に審判のランキングもあって良かろう。判定する者に対する評価があって然るべきだろう。審判の育成は選手の育成と同じぐらい重要だ。下手な審判や悪い審判は選手もゲームも駄目にする。

税収増

2013-03-19 10:37:01 | Weblog
 増税の目的は税収増だ。来年の4月に消費税率が5%から8%に上げられるのも税収を殖やすことによる財政再建を目論んだものだ。しかし税収増のために増税をすることは下策だろう。上策は増税をせずに税収を増やすことだ。
 そんなことが可能だろうか。1つはサラリーマンの収入を増やすことだ。自営業者などとは違ってサラリーマンの収入はガラス張りになっているので、サラリーマンの収入が増えれば必ず税収も増える。意外なことに企業にとって人件費率は余り高くない。大抵の企業は10%前後に過ぎない。人件費を5%殖やしても企業の収益は0.5%分低下するだけだ。その一方で税収は累進税率があるので確実に5%以上増える。安倍首相が企業に対して賃上げを要請するのは税収増という狙いもあってのことだろう。
 もう1つは物価を上昇させることだ。これも意外な盲点なのだが、適度のインフレは企業業績にとってプラスに働く。安く買って高く売れるからだ。つまり買った商品を横流しするだけで利益が生まれる。材料を加工した製品も、先に動いたほうが後から材料を加工する企業よりも優位になる。穏やかな物価上昇は経済を活性化させる。この20年の経済政策はインフレを恐れる余りにデフレを放置していた。
 物価を上昇させるのは簡単だ。物価を抑える政策の逆をやれば良い。金(かね)の値打ちは需要と供給で決まる。金を増やせば物価は上がるし為替レートは下がる。リーマンショックの時点で殆んどの国が通貨供給量を大幅に増やした中で、日本はその対応が不充分だったために円高を招いた。円安にする最善策は通貨量の増加であって為替介入ではない。民主党時代の馬鹿な大臣は下手な為替介入をして国益を損なったが、安倍首相のブレインは彼らよりもずっと優秀なようだ。