俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

標準治療

2014-03-23 10:00:16 | Weblog
 医師はそれぞれの学会が決めた標準治療を行わねばならない。これは諸刃の剣だ。標準治療が正しければ誤った治療を排除できるが、誤っていれば誤った治療しかできないということになってしまう。
 私は医師ではないので個々の標準治療が具体的にどう定められているのか知らないが、この制度のせいで医療が歪められていることは間違い無かろう。糖尿病患者はこう治療せよ、高脂血症なら、風邪なら、とガイドラインが定められていれば、医師はそれを疑うことさえ許されない。背けば医師法違反に問われ、従っていればたとえ患者がそのために死んでも責任を問われない。薬害エイズ事件で個々の医師の責任が問われないのは彼らが何も疑わずに標準治療に従っていたからだろう。
 これは思想統制のようなものだ。お上の指示には無条件で従わねばならず指示に背けば厳罰が待っている。こんな仕組みになっているから誤った治療法が見直されない。疑うことが許されない医師は次第に気力を失い惰性だけで治療をするようになる。
 勿論、長所もある。悪徳医師が贋薬によってボロ儲けをすることを防いでいることは間違い無い。
 かつて地動説は異端とされた。それは専門家が決めた定説である天動説に背くからだ。では専門家とは何者だったのか?聖職者と占星術師だ。こんな連中によって科学が否定された。
 では現代のそれぞれの学会を構成するのはどんな人だろうか。従来の治療法こそ最善と信じて疑わない人達だ。こういう専門馬鹿は新しい治療法を認めようとしない。医学界はこんな連中によって支配されている。疑うことが許されない社会だから権威主義が跋扈する。医学は科学でないどころか学問でもないようだ。だから内科医は風邪に対する解熱剤のような有害な医療を漫然と続けている。医療の民主化が急務だ。そして標準治療を徹底的に見直す必要がある。標準治療こそ医療の進歩を阻害する癌だ。

穀物

2014-03-23 09:30:41 | Weblog
 穀物は多くの地域で「主食」にされている。沢山の長所があるからだろうが、その中でも最大の長所は保存性が高いということだろう。米であれば古々米でも商品価値がある。こんな便利な食材は殆んど無かろう。ここで翻って、なぜ腐敗しないのかを考える必要がある。腐敗とは食材自らが劣化するのではなく腐敗菌が食べることによる化学変化だ。つまり腐敗菌が好む食材が腐敗し易いということだ。
 では腐敗菌はどんな基準で食物を選ぶのか?当然、栄養価の高い物を選ぶだろう。最も栄養価の高い肉や魚が腐敗し易いことからもこのことは明らかだ。それなら腐敗しにくいとは実は栄養価が低いということではないだろうか。水分の少なさも要因だろうが、それにしても米は余りにも傷みにくい。肉を乾燥させて水分ゼロにしても米のように常温保存することはできまい。
 昔、小学校の家庭科の授業で「澱粉、蛋白質、脂肪が三大栄養素」と習った。これが家庭科ではなく理科の授業だったら私は問い質していただろう、澱粉(炭水化物)にはどんな有効性があるのか、と。炭水化物はただのエネルギー源ではないだろうか。もしそうなら蛋白質と脂質だけで充分ということになる。入手が難しくて高価な蛋白質と脂質が足りなかったから安定的に収穫できて安価な炭水化物に頼っていたのではないだろうか。肉食動物は米や麦になど見向きもしない。炭水化物とは重労働に耐えるために必要なエネルギー源だったのかも知れない。しかし重労働から解放された現代人にとっては過剰なエネルギー源ではないだろうか。
 最近、糖質制限ダイエットが流行っているらしい。従来のカロリー制限食よりも効果的らしい。折しも14日に厚生労働省が「食事摂取基準」を見直してこれまでのカロリーではなくBMI(体重÷身長÷身長)を基準とすると決めた。お役所は間違いを認めたがらない体質だから、間違っていたカロリー論をウヤムヤのままに済し崩しにするつもりなのではないかと勘繰りたくなる。現代日本の食料事情なら蛋白質も脂質も充分に摂取できるのだからわざわざ炭水化物によってエネルギー過多になる必要性は全く無かろう。まるで炭水化物の塊のような穀物類は栄養バランスの悪い食品であり、保存技術の発達した現代においてはこれに依存しないほうが好ましいと思える。